海と島の博覧会

海と島の博覧会

1989年（平成元年）に広島県内で開催された「海と島の博覧会」は、地方博ブームの波に乗り、県内各地を巻き込んだ大規模な博覧会でした。正式名称は「'89 海と島の博覧会・ひろしま」で、「海島博（うみしまはく）」の愛称でも親しまれました。

開催概要

開催期間は1989年7月8日から10月29日までの約4ヶ月間。広島市西区の商工センター・扇をメイン会場とし、県内各地にサブ会場を配置した広域周遊型が特徴でした。マスコットキャラクターには、県鳥のアビをモチーフにした「アビ丸」が採用され、博覧会を盛り上げました。また、7人のミス「セブンマーメイド」が選ばれ、博覧会の顔として活躍しました。

メイン会場には114日間で延べ329万8495人が来場し、大盛況となりました。テーマ曲には少年隊の「Sea and island」が使用され、広島城開城400周年記念イベントも兼ねていました。

会場

メイン会場

広島市西区商工センター・扇に設けられたメイン会場は、広島市民球場12個分の広さにあたる24ヘクタールもの広大な敷地を有していました。会場内には、6ヘクタールの人工海と7つの半島が造成され、海の上をロープウェー「スカイキャビン」が横断していました。また、ウォータージェット式ボートによる「オーシャンクルーズ」も運航され、来場者を楽しませました。当時流行していたディスコパビリオンも設置され、時代を反映した空間となっていました。

メイン会場のパビリオン

メイン会場には、以下のような多様なパビリオンが設けられました。

三菱マリンシアター
スーパーシンドバットの冒険 中国電力館
フジタ館「ミラクルマシーンNL3423」
BIG WAVE（テーマ展示館）
アドベンチャースペースシップ松下館
NTTアドベンチャー・クルーズ「宝島」
スペースアイランド自治体館（広島県と広島市の共同館）
マーメイドボウル（メインステージ）
国際交流館&わくわくワールドバザール
中国地域舟艇事業協議会キャプテンクラブ
ワンダーエレクトロニクス館（日立グループ、富士通、日本IBM、NEC)
テクノロマン「マツダモータースポーツ館」
ひろしまフレンド館（久保田鉄工、シャープ、広島東洋カープ、中国塗料、日本計量協会、丸菱産業他）
ひろしまドリーム館（JR西日本、ひろしま生協他）
BIG SHELL（テーマ映像館）
ひろぎん・中国自貢大恐竜館
夢アジアそごう特別協賛館
五洋建設パラダイスオーシャン
MITSUI Group. TOSHIBA.IHI館
JT館 エキサイティングスピリット
住友館
郵政マリンドリーム館
ハノーバー市「STADT HALLE」

メイン会場のモニュメント

会場内には、以下のモニュメントが設置され、来場者の目を引きました。

パラダイスの塔（協賛：福屋）
世界をつなぐ橋
愛と平和のモニュメント（協賛：福山通運）
鯤（協賛：広島総合銀行）
マルコポーロの望遠鏡（マルコポーロのレストパーク。協賛：セゾングループ）
トスカネリの地図（コロンブスのレストパーク。協賛：UCC上島珈琲）
玉手箱のひも（浦島太郎のレストパーク。協賛：大塚製薬）
ビーナスの貝殻オブジェ（ビーナスのレストパーク。協賛：山陽コカ・コーラボトリング）
地球儀（マゼランのレストパーク。協賛：せとうち銀行）
怪鳥の卵（シンドバッドのレストパーク。協賛：千代田生命保険）
巨大なガリバーの靴（ガリバーのレストパーク。協賛：阪和興業）

入園料

当時の入園料は以下の通りでした。

大人：2,600円
高校生：1,550円
小中学生：1,000円
幼児（4歳以上）：500円

お得なパスポート券も販売されました。

大人：10,300円
高校生：6,200円
小中学生：4,000円
幼児（4歳以上）：2000円

マーメイドボウルでの主なイベント

メインステージの「マーメイドボウル」では、期間中、様々なイベントが開催されました。

オープニングセレモニー（7月8日）
ハノーバーデー（7月9日）
マンクヌゴロ王家舞踊団（7月10日 - 14日）
KIT McCLURE BIG BANDコンサート（7月15日）
「アッコにおまかせ!」公開生放送、スパーリングコンサート（7月16日）
パッショネート・ステージ（長山洋子、ゆうゆ、島田奈美、少女隊）（7月17日 - 20日）
ヒップアップトークショー（7月21日）
オリエントファッショナブルウェーブ「TALK&SHOW」（7月22日）
ハワイ・ウィーク（7月23日 - 29日）
レゲエ・エクスプロージョン'89（7月30日）
広島少年少女合唱団まつり（7月31日）
ミュージカル「ピーターパン」（8月1日・2日）
広島バレエフェスティバル（8月3日・4日）
吹奏楽フェスティバル（8月5日）
ピースチャイルド広島「自然への讃歌」（8月6日）
天理高校ブラスの祭典（8月7日）
東京演劇アンサンブル「走れメロス」（8月8日 - 11日）
広島港築港100周年記念メキシコ・韓国デー（8月12日）
スーパーナイトイリュージョン（8月13日）
日本民謡大賞広島県大会（8月14日）
A LA ROCK BO GUMBOSコンサート（8月15日）
タイガー大越コンサート（8月16日）
フラメンコ舞踊「エル・カミーノ」（8月17日）
朝鮮民族芸術団（8月18日）
トークの日ライブスペシャル（8月19日）
'90ミス・ユニバース中国地区大会（8月20日）
アマチュアバンドコンテスト（8月21日）
西城秀樹コンサート（8月22日）
マーメイド国際こども音楽祭（8月23日）
マリーン・ファッションショー&コンサート（8月24日）
広島市民オペラ（8月25日）
24時間テレビチャリティーコンサート広島（8月26日・27日）
斉藤忠生とアルティザンコンサート（8月28日・29日）
真美フェスティバル（8月30日）
四川省歌舞劇院（8月31日）
坂田明ジャズコンサート、TVアニメステージショー（9月1日）
NTT吹奏楽団コンサート、「元気でがんすよのど自慢」（9月2日）
少年隊シーサイドフェスタ（9月3日）
ルイス・ネルソン&ニューオリンズオールスターコンサート（9月4日）
ホセ・ガルバン&クワドロフラメンコとシャーマン（9月5日 - 8日）
ジョルジュ・ムスタキコンサート（9月9日）
広島演歌まつり（9月10日）
紅花の山形路まつり（9月11日）
大爆笑!!上方漫才名人会（9月12日）
しまね郷土芸能オンステージ（9月13日）
白島北町音楽倶楽部スペシャル（9月14日）
かもめーる抽選会（9月15日）
おかあさんといっしょ「にこにこぷんショー」（9月16日・18日）
日本のうた、ふるさとのうた（9月17日）
SEA&ISLANDSミュージック・ウェーブ（9月19日）
新伍のお待ちどおさま（9月21日・22日）
広島ブラスバンドの祭典（9月22日）
KDD 001 SOUND ISLAND（9月23日）
海・島バンド合戦（9月24日）
オット危険な嫁姑!（9月26日）
歌っていいとも（9月27日）
トルコデー（9月29日 - 10月1日）
離島芸能祭・佐渡の芸能（10月2日）
インド古典音楽とマニプリ舞踊（10月3日 - 7日）
マジックビッグスリーフェスティバル（10月9日）
女性演歌オン・ステージ（10月10日）
西日本宝くじ抽せん会（10月12日）
懐かしのムード歌謡ショー（10月14日）
広島県民謡フェスティバル（10月15日）
エンディングセレモニー（10月29日）

サブ会場

メイン会場以外にも、県内各地に7つの主催・共催会場と、その他合わせて22会場が設置されました。

主催会場

蒲刈町（現呉市）・県民の浜
因島市（現尾道市）・因島フラワーセンター
安浦町（現呉市）・グリーンピア安浦（現グリーンピアせとうち）

共催会場

福山市・鞆町
瀬戸田町（現尾道市）・瀬戸田サンセットビーチ
沼隈町（現福山市）・みろくの里
尾道市・千光寺公園・マリンパーク境ガ浜

開催時に整備されたもの

博覧会開催に合わせて、以下のインフラが整備されました。

新井口駅と現在のアルパークを結ぶペデストリアンデッキ
太田川放水路の庚午橋に設置された自動車専用オーバークロス
* 太田川周遊の水上遊覧船

終了後

博覧会終了後、メイン会場跡地は一部が下水処理場となり、広場としてイベントなどに利用されています。扇地区は長らく空き地でしたが、2017年に複合商業施設『LECT』がオープンしました。

博覧会時に設置されたモニュメントの一部は、宇品波止場公園や広島市中央公園に移設され、保存されています。マスコットのアビ丸は、せとうち銀行のマスコットキャラクターとして長らく使用されていました。

7へのこだわり

この博覧会は、「7」という数字にこだわり、メイン会場に7つの半島、物語、広場が設けられ、7つの主催・共催会場、ミス「セブンマーメイド」が選出されました。これは、地球上の7つの海を表現したものでした。

記念発行物

郵政省中国郵政局は、博覧会開催を記念して、1989年7月7日にふるさと切手2種を発行しました。発行枚数は650万枚でした。

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