大阪屋

株式会社大阪屋の歴史と概要

株式会社大阪屋は、日本の出版取次業を代表する企業の一つでした。その本社は大阪府東大阪市に位置し、1949年に設立されました。設立の背景には、過度経済力集中排除法に基づき業務を停止した日本出版配給株式会社の大阪支店がありました。設立当初は大阪市東区瓦町にあった日本デモクラシー会館を母体としてスタートしました。

主要な業績とシェア

大阪屋は、西日本を中心に大きなシェアを持つ出版取次業者として成長を遂げました。業界内での全国売上規模では、日本出版販売（日販）やトーハンの二社に続き、三位という地位を確立していましたが、最大手との売上差はかなり大きく、4〜5倍の開きがありました。

1960年代には、電子計算機を導入するなど、早くから情報システムの活用に乗り出しました。1990年代には、出版取次業界の現場でもデジタル化が進み、OPASという書籍情報確認システムも開発され、書店の注文時によく使用されるようになりました。

業務提携と再編の試み

2000年代に入ると、インターネット書籍販売大手のAmazon.co.jpと提携し、その主要な調達先となっていました。しかし、2008年以降、日販へのシフトが進行し、業務提携先が変わることになりました。このような環境の中で、大阪屋は経営基盤の再構築を試みます。

2014年には、大規模なリストラを含む5カ年の事業再生計画が発表され、東大阪に本社を移転しました。さらに、同年10月には持株会社制を導入しました。これらの試みは、出版業界全体が厳しい状況にある中で、収益改善を目指してのものでした。

栗田出版販売との関係

2015年には、経営不振に陥った栗田出版販売との連携を強化。2016年4月1日、大阪屋の権利義務が栗田に引き継がれ、株式会社大阪屋栗田（OaK出版流通）が設立されると共に、大阪屋は解散しました。これにより、長い歴史を持つこの企業は幕を閉じ、新たな形での出版流通に移行することとなりました。

旧本社社屋の解体

大阪屋の旧本社社屋は、1922年に建設された新町演舞場を改修したものであり、貴重な建築物として知られていました。しかし、2014年に売却され、その後解体されてしまいました。このように、大阪屋の歴史とともに多くの拠点があり、発展してきましたが、時代の流れとともに新たな展開を迎えています。

現在株式会社大阪屋栗田は、楽天ブックスネットワークとして、出版流通事業を継承し、変化する市場に適応しながら進化を続けています。

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