天威

天威（てんい）について

天威とは、金代に耶律廝不（やりつ しふ）が後遼を樹立し自立した際に使用した私年号です。1216年（丙子）に用いられました。

年号の背景

当時、乞奴（きつど）、金山（きんざん）、青狗（せいこう）、統古与（とうこよ）らが耶律廝不を推戴し、澄州（ちょうしゅう）において皇帝を僭称させました。これにより、国号を遼と定め、年号を天威と改元しました。

組織

耶律廝不は、耶律留哥（やりつ りゅうか）の兄である独剌（どくら）を平章（へいしょう）に任じ、百官を設置しました。

西暦との対照表

天威が使用された1216年は、西暦に換算すると以下のようになります。

1216年：天威元年

出典

この年号に関する記述は、『元史』（巻149 列伝第36 耶律留哥）に見られます。

丙子，乞奴、金山、青狗、統古与等推耶律廝不僭帝号於澄州，国号遼，改元天威，以留哥兄独剌為平章，置百官。

参考文献

天威に関する研究は、以下の文献で確認できます。

李崇智　『中国歴代年号考　修訂本』（北京：中華書局，2001年1月） ISBN 7101025129　192ページ
* 鄧洪波編　『東亜歴史年表』（台北：台湾大学出版中心，2005年3月） ISBN 9860005184　207ページ

これらの文献は、年号の成立背景や歴史的意義を理解する上で貴重な情報源となります。

まとめ

天威は、金代末期における政治的な混乱と、それに対する耶律廝不の独立の意志を示す年号と言えるでしょう。短い期間ではありましたが、当時の歴史を考察する上で重要な意味を持っています。

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