天神コア

天神コアの歴史と特徴

天神コアは、福岡県福岡市中央区天神に位置するファッションビルであった。1976年に開業し、その後長年にわたり若者文化の中心地として君臨してきた。特に、ギャル系ファッションを中心に、最新のトレンドをいち早く届けていたことから多くの来館者を集めていた。

開業の背景と初期の展開

天神コアは、九州最大の繁華街とされる天神の魅力をさらに高めるために、西日本鉄道が手がけた初の都市型ファッションビルとして注目を浴びた。1976年6月5日のオープン以来、地下2階から8階の全11フロアが多様な店舗で賑わいを見せ、特にギャル系ショップが充実していた。開業当初から「コアとあなたは『暮らすメイト』」というコンセプトを掲げ、新宿や原宿のセンスを福岡に持ち込むことを目指していた。

リニューアルと進化

2006年11月には大規模な改装を行い、さらなるリニューアルを実施した。2011年9月には新たに43店舗が改装・オープンし、店舗数やバリエーションが一層多様化した。しかし、天神コアの歴史は商店街時代に遡ることができ、開業前にはこの地域に存在した西鉄街や銀座通り商店街の店舗も含まれている。

来館者の多さとビジネスの成果

天神コアは多くの人々に愛され、平日で約4万人、土日祝日で約7万人の来館者数を記録していた。全館の年間売上高も約129億6千万円（2006年度実績）に達し、福岡の商業活動において重要な役割を果たしていた。特に、地下1階には飲食店街があり、地元の人々や観光客が交流する場ともなっていた。7階には多様な飲食店が揃っており、訪れた人々を魅了していた。

ブランドイメージとデザイン

天神コアのロゴマークには「出会い」や「コミュニケーション」のコンセプトが込められており、福田繁雄によってデザインされた。ロゴの真ん中には「T」の文字があり、それを囲むように人々の顔が向かい合うデザインが施され、温かみのある印象を与えていた。

閉館と再開発計画

しかし、好景気の影に隠れた再開発計画は避けられず、2020年3月31日をもって天神コアは閉館した。これを受けて、跡地は2024年に大型複合商業施設に生まれ変わる予定であり、2024年4月には「ONE FUKUOKA BLDG.」として開業を目指している。新しい施設も福岡の都市文化に新たな息吹を吹き込むことであろう。天神コアはその閉館によって一つの歴史を刻み、次のジェネレーションの文化の発信地へと進化を遂げていく。

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