奈良県立図書情報館

奈良県立図書情報館：歴史と魅力

奈良県立図書情報館は、2005年11月3日に奈良県奈良市に開館した、最新の設備を備えた公立図書館です。 旧県立図書館の歴史を継承しつつ、現代のニーズに応えるべく、10年以上にわたる計画と建設期間を経て完成しました。館内には、上村淳之による屏風絵「四季花鳥図」が飾られ、訪れる人々に豊かな文化体験を提供しています。2009年には、Library of the Year 2009優秀賞を受賞するなど、その高い評価は揺るぎません。館長は千田稔国際日本文化研究センター名誉教授が務めています。

歴史：奈良県立図書館から図書情報館へ

現在の図書情報館に至るまでには、長い歴史があります。その起源は、1908年に奈良公園内に建設された「奈良県立戦捷紀念図書館」まで遡ります。その後、「奈良県立奈良図書館」と改称され、1968年には奈良県文化会館に新館が開設されました。旧館は郡山城内に移築され、1997年には奈良県指定文化財に指定されています。

1990年代に入ると、新たな図書館の必要性が認識され、1992年から新図書館のあり方が検討されました。1995年には「奈良県立図書館整備基本構想」が策定され、10年という歳月をかけて、現在の図書情報館が完成しました。この期間中には、旧県立図書館（奈良図書館と橿原図書館）の閉館と、新図書館建設のための土地取得、設計、建設工事が行われました。

建物と館内：快適な読書空間

図書情報館は、地下1階、地上3階建ての鉄骨鉄筋コンクリート造りの建物です。敷地面積は31,638平方メートル、延床面積は12,123.17平方メートルと、広々とした空間が確保されています。 建物は、周囲の住宅地との調和を考慮した設計となっており、かつてこの地に存在した「大池」の痕跡を残す、周囲の堰堤をそのまま生かした景観となっています。

館内は3階建てで、2階と3階に開架式の閲覧スペースがあります。3階には15万冊を超える一般図書と1500冊以上の雑誌が所蔵されており、充実した蔵書を誇ります。また、各階には、ネットワーク接続可能なパソコン席が多数設置され、快適な学習環境を提供しています。2階には情報資料や視聴覚資料、カフェテラスなどが配置されており、多様なニーズに対応しています。1階には自動化書庫や交流ホールなどがあります。

充実した設備：情報機器と学習スペース

館内には、利用者の利便性を高めるための様々な設備が整っています。館内には多数のパソコンが設置されており、利用者カードでログインして利用できます。プリンターやコピー機、AVブースなども完備されており、研究や学習に最適な環境です。

さらに、Macintoshが設置されたアトリエ、画像・音声・動画編集が可能なオーサリングルームやデジタルスタジオ（有料）、31台のパソコンが設置されたセミナールーム（有料）、220人収容の交流ホール（有料）、グループ研修室、LLルーム、点字・音声出力室、対面読書室など、多様なニーズに対応した施設が用意されています。

まとめ：地域に開かれた文化拠点

奈良県立図書情報館は、単なる図書館にとどまらず、地域住民にとってかけがえのない文化拠点となっています。その歴史、充実した設備、そして快適な空間は、多くの人々に学びと発見の機会を提供し続けています。 公式サイトやSNSを通じて、最新の情報をチェックし、ぜひ一度訪れてみてください。

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