奥宮

奥宮とは

奥宮（おくみや）とは、日本の神道における神社において、複数の社殿が存在する際に、ある社殿と別の社殿との関係性を示す名称の一つです。または、その関係にある社殿そのものを指すこともあります。奥社や奥の院と呼ばれることもあります。

一般的に、同一の神社に複数の社殿があり、それらの社殿が非常に離れて位置しており、見た目にも別の神社のように感じられる場合に「奥宮」という言葉が用いられます。社殿が単一である場合や、複数あっても互いに近い距離にある場合には、あまり使われません。

最も典型的な例としては、山の麓と山頂の二箇所に同じ祭神を祀っている場合です。このとき、山の麓にある神社（本社・本宮・下宮）に対して、山頂にある神社を奥宮・奥社・上宮と呼びます。また、かつては山頂に本殿が設けられていたものの、参拝の便を考慮して麓に本殿を移設し、旧本殿を奥宮とするケースもあります。このような場合、奥宮を「元宮」と呼ぶこともあります。

奥宮の例

奥宮は、日本各地の様々な神社に見られます。以下に主な例を挙げます。

富士山本宮浅間大社（静岡県）: 山頂の富士山頂上浅間大社奥宮が奥宮にあたる。
大山阿夫利神社（神奈川県）: 山頂本社が奥宮にあたる。
白山比咩神社（石川県）: 白山山頂の奥宮が奥宮にあたる。
三峯神社（埼玉県）: 奥宮が山頂に鎮座している。
金峯神社(奈良県): 大峰山山頂にある奥駈道中にある。
熊野本宮大社(和歌山県): 大斎原(おおゆのはら)に旧社地があり、奥宮とされる。
日前神宮・國懸神宮(和歌山県): 境外末社として、神社の背後の山中に奥宮が鎮座する。

これらの例からもわかるように、奥宮は山頂など、人里から離れた場所に位置していることが多いのが特徴です。

奥宮の意義

奥宮は、単なる本社の付属的な存在ではありません。多くの場合、神社の創建当初から存在した場所や、より神聖な場所として位置づけられています。そのため、奥宮への参拝は、より深い信仰体験をもたらすとされています。また、奥宮があることは、その神社の歴史や信仰の深さを示すものとも言えるでしょう。

まとめ

奥宮は、日本の神道における独特な概念であり、神社の構造や歴史を理解する上で重要な要素です。山頂や旧本殿など、人里から離れた場所に鎮座していることが多く、本社とは異なる神聖な雰囲気を持っています。神社を訪れる際には、奥宮にも足を運んで、その神社の歴史や信仰の深さを感じてみてはいかがでしょうか。

関連項目

神道
* 神社

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