奥村公延

奥村公延について

奥村公延（おくむらこうえん）は、1930年3月31日に秋田県で生まれ、2009年12月24日に東京都で79歳で他界した日本の俳優です。本名は奥村進で、専修大学を卒業後、主に現代制作舎に所属し、多岐にわたる演技活動を展開しました。

俳優人生の始まり

奥村は元々一般企業に勤めていましたが、俳優の道に進むきっかけは、自身が行きつけの飲み屋で新劇劇団のプロデューサーに紹介されたことでした。1955年に放送されたテレビ番組『ダイヤル110番』で俳優デビューを果たし、当初は芝居に対する知識も経験もありませんでしたが、演技を実際に体験することでその魅力に気付き、この世界へと踏み込むことになります。

劇団と転機

デビュー後、奥村は入団した劇団が難解な作品ばかりを扱っていたため、数ヶ月で退団。様々な劇団での活動を経て、テレビ業界でも多くの仕事をこなすようになりました。当初は食べていくことが難しかったものの、徐々に地盤を固めていきました。特に映画『ゴジラの逆襲』には群衆役として出演し、その際に自分がどこに映っているのか分からなかったエピソードが印象的です。

テレビドラマでの活躍

奥村は1960年代から70年代にかけてTBSのドラマに頻繁に出演し、特に飯島敏宏監督との出会いが彼のキャリアに大きな影響を与えました。『ウルトラQ』や『ウルトラマン』などのウルトラシリーズでもその姿を見ることができ、特に1971年の『仮面ライダー』へのゲスト出演では、主演の藤岡弘が事故に遭った際に現場で救急対応に駆けつけたというエピソードが残っています。

映画界での存在感

1984年には映画『お葬式』で、監督の伊丹十三に「死体の役」を任され、大変驚いたと語っています。この役を得るために息を止める練習をした結果、その努力が高く評価され「日本一の死体役」として称賛されました。また共演者からも「この映画の主役はあなた」と言われるほどの存在感を示しました。

2001年には北野武監督の『BROTHER』で初めてヤクザの親分役を演じ、普段の彼のイメージとは異なるキャラクターに挑戦しました。

私生活と趣味

奥村は、ジャズや社交ダンス、江戸芸を趣味としており、特技には英語とドラム演奏がありました。また、俳優業の傍ら、全国の福祉施設へ公演にも出かけていました。彼が無名時代にはこうした呼びかけは全くなかったとされており、俳優としての地位を確立した後に多くの依頼を受けるようになったと振り返っています。

作品一覧

奥村は多くのテレビドラマや映画に出演しており、特にテレビドラマでは『水戸黄門』や『西部警察』、『江戸を斬る』などに名を連ねています。映画では『ゴジラの逆襲』や『お葬式』、さらには『BROTHER』など、多才な役者としてのキャリアを築きました。

最後に

2009年12月24日、呼吸器不全により79歳で亡くなりました。彼の俳優としての軌跡は、今も多くの人々に記憶されています。奥村公延の芸術活動は、日本の映像文化において重要な役割を果たしました。

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