好き好き大好き

アルバム『好き好き大好き』についての詳細

『好き好き大好き』（すきすきだいすき）は、1985年11月10日に戸川純によってリリースされたオリジナル・アルバムで、彼女のソロ名義としては3枚目の作品です。このアルバムは、アルファレコードの戸川純の個人レーベル「HYSレーベル」の第一弾として発売されました。戸川純自身がプロデュースとアートディレクションを担当しており、彼女の独自の世界観が色濃く表現されています。

プロモーション及び映像作品

このアルバムに関連するプロモーション用映像やミュージック・ビデオもいくつか存在します。具体的には、「遅咲きガール」「好き好き大好き」「さよならをおしえて」「図形の恋（メイキング）」といった作品があり、それぞれの楽曲に合わせたビジュアルが制作されています。ただし、「遅咲きガール」のビデオは、戸川純＆ヤプーズのビデオ『TOUR-LIVE'85〜'86』に収められた以外は、未だに発売されていない状態です。

2006年には、Sony Music Directからこのアルバムを含む戸川純関連の9作品がデジタルリマスタリングされ、歌詞カードやレコードレーベルが再現された紙ジャケット仕様で復刻されました。興味深いことに、オリジナルのジャケットはE式であったのが、この復刻版ではA式に変更され、オリジナルのデザインが再現されていません。また、戸川純に関連する映像作品もDVDとして同時に復刻されました。

収録楽曲

このアルバムには多彩な楽曲が収録されています。たとえば、1曲目の「ヘリクツBOY」は、戸川京子と戸川純の共作による曲で、小松世周が作曲と編曲を担当しています。ブラボー小松の家で遊びに作った楽曲で、原曲は「へたくそBOY」となっています。

また、タイトル曲「好き好き大好き」は、戸川純が作詞を手がけ、吉川洋一郎によって作曲された楽曲です。この曲のタイトルは、R・D・レインの『好き?好き?大好き?』から着想を得たものです。歌詞カードには「アンチニヒリズムの直感認識」との記載がありますが、実際には「直感」ではなく「直観」が戸川の意図した表記であることに注意が必要です。

「エンジェル ベイビー（EXTRA VERSION）」は、Rosalie Hamlinの楽曲を戸川純が日本語詞にしたカヴァーで、歌詞の一部は英語のまま残されています。

他にも、「さよならをおしえて」はフランソワーズ・アルディのカヴァーで、戸川が日本語詞を提供しています。歌詞は原詞の直訳ではなく、自由な解釈がされています。

ミュージシャンとクレジット

アルバムには数多くの才能あるミュージシャンが参加しており、ドラムに泉水敏郎、ベースには岡野ハジメや中原信雄、櫻井哲夫がクレジットされています。ギターは比賀江隆男、小松世周、根本晴彦が担当し、キーボードには戸川純自身も参加しています。これらのミュージシャンによって、アルバム全体に豊かな音楽的表現がもたらされています。

このように、『好き好き大好き』は戸川純の音楽的探求と独自の表現力が詰まった、聴きごたえのある一枚に仕上がっています。

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