妖界ナビ・ルナ

『妖界ナビ・ルナ』：半人半妖の少女と、妖怪たちの物語

『妖界ナビ・ルナ』は、池田美代子による児童[[文学]]作品、およびそれを原作とした菊田みちよ作画による漫画作品です。岩崎書店から刊行された小説は全12巻、講談社の少女[[漫画]]雑誌『なかよし』にて漫画版が連載されました。小説はフォア文庫において小学校中・高学年向きと分類され、I期とII期に分けられています。I期は琴月綾、II期は戸部淑がイラストを担当し、I期は愛蔵版も出版されました。

ストーリーの概要

小説版:

物語の中心人物は、児童養護施設「星の子学園」で育つ少女、竜堂ルナです。ルナは、赤ん坊の頃に施設の前に置き去りにされた、謎多き少女。ある夜、施設の仲間が誘拐される事件をきっかけに、ルナは自らの秘密、そして半人半妖としての使命を知ることになります。ルナは、人間と妖怪の血を引く「伝説の子」であり、現れた妖怪の邪気を祓い、妖界へと送り戻す「妖界ナビゲーター」としての旅に出ます。

第一部では、ルナは４人の妖怪を妖界へ帰し、４つの玉を集めますが、次の妖怪の行方は分からず、大晦日を迎えます。その時、集めた玉が光り出し、ルナの出生の秘密と、妖界と人間界を繋ぐ入口のある夜鳴島へと導かれます。そこでルナは、過去の因縁や、自身の双子の弟、竜堂タイの存在を知る事になります。

第二部では、妖界への道を封印したルナですが、世界を支配する力を持つ「悠久の玉」が盗まれ、行方不明の兄を探す旅へと再び人間界へ旅立ちます。そこで出会う、ルナと同じく半人半妖の少女ナナセとの戦いや、兄の行方を探る旅を通して、ルナは新たな試練に直面します。そして、世界を支配しようとする真の敵、ナナセの父親カイリュウとの最終決戦へと挑みます。

漫画版:

漫画版は、小説版のストーリーをベースに、菊田みちよによる独特の絵柄と構成で描かれています。小説版にはないエピソードや、キャラクターの設定の掘り下げなども加えられています。特に、ルナとタイの過去や、その他の妖怪たちの背景などがより深く描かれており、物語に奥行きが増しています。また、『なかよしラブリー』では、原作者池田美代子による小説版にはない番外編も掲載されました。小説版では中断されたII期3巻「ガラスの指輪」は、講談社青い鳥文庫より「新 妖界ナビ・ルナ(1)」として発売され、シリーズは再開されました。

主要登場人物

ルナ:物語の主人公。半人半妖で、「伝説の子」の一人。優しく勇敢な性格だが、食いしん坊な一面も。うなじに隠された第三の目を持ち、開眼すると強力な妖力と能力を発揮します。

タイ:ルナの双子の弟。「伝説の子」のもう一人。兄とは対照的に、人間不信気味で荒んだ性格。しかし、ルナを支える存在です。

スネリ、もっけ:ルナを守るため妖界から来た妖怪。それぞれ白猫とフクロウの姿に変化します。ルナにとって頼もしい存在です。

ナナセ、雛子:新シリーズから登場する半人半妖の姉妹。冷酷なナナセと、優しい雛子は対照的な性格で、物語に複雑な要素を加えます。

その他:多くの個性的な妖怪や人間たちが物語を彩ります。

設定と用語

妖力:妖怪の持つ力。様々な術を使うことができます。

人間界・妖界:人間と妖怪がそれぞれ住む世界。結界によって隔てられていますが、物語を通してその境界は曖昧になっていきます。

第三の目:「伝説の子」の証。開眼すると、強力な能力を発揮します。

悠久の玉:妖怪の力を無限大にすると言われる、強力な玉。物語の重要なアイテムです。

破妖剣・護神剣:人間界と妖界を隔てる結界を張る際に作られた二本の剣。物語の終盤で重要な役割を果たします。

作品リスト

小説版は岩崎書店のフォア文庫、講談社の青い鳥文庫より多数刊行されており、漫画版は講談社より刊行されています。小説版と漫画版では、ストーリー展開やキャラクター像に若干の違いがあり、それぞれに魅力があります。また、小説版と漫画版、そして複数の出版社による刊行という複雑な出版経緯も、この作品の特徴と言えるでしょう。

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