妻鹿駅

妻鹿駅：歴史とロマンを秘めた沿線風景

兵庫県姫路市飾磨区妻鹿出口に位置する妻鹿駅は、山陽電気鉄道本線沿線に佇む、歴史と魅力あふれる駅です。駅番号はSY39。1923年、神戸姫路電気鉄道の開業と同時に誕生して以来、地域の生活を支え、幾多の変遷を経て現在に至ります。

開業から現代まで：変遷の歴史

妻鹿駅は、大正12年（1923年）8月19日、神戸姫路電気鉄道の開業に伴い開業しました。その後、昭和2年（1927年）4月1日には神戸姫路電気鉄道が宇治川電気と合併。昭和4年（1929年）11月14日には駅舎の改築と貨物営業開始という大きな変化を迎えました。さらに昭和8年（1933年）6月6日には宇治川電気が鉄道部門を分離し、山陽電気鉄道の一駅となりました。貨物営業は昭和9年（1934年）12月に廃止されています。

昭和24年（1949年）4月15日には急行停車駅となり、利用者の増加に貢献しました。しかし昭和59年（1984年）3月25日には急行の運行が終了し、普通列車のみの停車駅となりました。その後、昭和58年（1983年）9月13日と、比較的近年の二度、駅舎の改築が行われ、現代の駅舎へと生まれ変わりました。現在では無人駅となっています。

駅構造とアクセス

妻鹿駅は、地上駅で相対式ホーム2面2線を有しています。ホームはカーブ上に位置しており、姫路方面行ホーム西端（姫路寄り）に駅舎があります。神戸方面行ホームへは構内踏切で連絡しています。改札口は無人化されており、簡素ながらも利用者にとって利便性の高い構造となっています。

利用状況と周辺環境

2008年11月11日時点の乗降者数は2372人でした。駅周辺は、灘のけんか祭りで有名な松原八幡神社のある妻鹿地区に位置しています。この地区は、古くから続く歴史と文化を色濃く残しています。

妻鹿という地名の由来

妻鹿という地名は、一対の鹿のうち、牡鹿が家島諸島へ渡り、牝鹿が残ったことに由来するとの説があります。家島諸島には、対をなすように男鹿島が存在することも、この説を裏付ける材料として挙げられます。しかし、江戸時代の資料にはこの説を否定する記述があり、信憑性については疑問が残ります。

実際、松原八幡神社の古文書（1289年）や妻鹿の教念寺の資材帳（1534年）には「目賀」と表記されており、本来は「目賀」であった可能性が高いとされています。地名が「妻鹿」に変わった経緯については、諸説ありますが、羽柴秀吉の播磨攻めと関係があるのではないかという説も存在します。

隣の駅

妻鹿駅の隣の駅は、白浜の宮駅（上り）と飾磨駅（下り）です。特急や直通特急は通過しますが、S特急と普通列車は停車します。

まとめ

妻鹿駅は、長い歴史と、興味深い地名由来を持つ、山陽電鉄沿線の魅力的な駅です。駅周辺の豊かな自然や歴史を感じながら、のどかな雰囲気の中で、旅のひとときを過ごすことができるでしょう。 静かな佇まいの中に、歴史の重みを感じさせる妻鹿駅は、これからも地域のシンボルとして、人々の生活を見守り続けることでしょう。

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