始球式

始球式（しきゅうしき）について

始球式とは、スポーツ、特に球技において試合開始前に行われるセレモニーのことを指します。主催者や招待されたゲストが投球役を務めることが一般的で、観客にとっても楽しみの一つとなっています。特に野球においては、始球式は大きなイベントと位置付けられています。

野球における始球式

野球での始球式、特にアメリカでは、試合前に来賓がマウンド上またはその前方から捕手に向けて一球を投げることが多いです。この際、打者は立たず、守備陣も皆無の状態で行われます。捕手は参加選手の中でゲストに近い関係のある人物が務めることが多く、これにより観客との交流が生まれます。たとえば、過去にメジャーリーグ（MLB）で行われた始球式では、著名人や偉人が投げることが多くありました。

日本でも早くから始球式が実施されており、1908年に大隈重信が投球したのが記録に残る最初の事例です。この時、打者は故意にボールを空振りしてストライクにしたことが印象深い出来事として語り継がれています。このように日本の始球式には投手と打者の間で敬意を示す暗黙の了解が存在しており、今でも多くの人々が期待している瞬間となっています。

高校野球の特別なケース

高校野球では、選抜大会の開幕試合では文部科学大臣が投球役を務めるという伝統があります。時には特別なゲストが投球することもあり、特に記念すべき大会では著名な元選手や重要な政治家による始球式が行われることがあります。2018年の第100回全国高校野球選手権大会では、過去のレジェンド選手たちが次々と投球し、観客を魅了しました。

プロ野球における形の多様性

プロ野球では、芸能人や著名人が始球式を実施することが増えてきました。その際には、様々な状況に応じた投球スタイルが見られます。アメリカ形式を模倣し、始球式において打者役を務めることもあります。例えば、特定のスポットに立つのではなく、試合の雰囲気を盛り上げるために異なる演出が行われることもあります。また、現役選手や引退選手の家族が投球役を務めることもあります。

その他のスポーツにおけるセレモニー

始球式は野球に限らず、様々なスポーツで特別なセレモニーが行われています。アイスホッケーではフェイスオフの際にセレモニアルパックドロップが、ゴルフでは招待者が最初の打撃を行うことが特徴です。サッカーでは特別なゲストがボールを蹴ってスタートを切り、バスケットボールではティップオフセレモニーが行われます。

ギネス記録に挑戦

最近では、独立リーグにおいて「最大人数で行う始球式」としてギネス記録に挑戦し、成果を収めた事例もあります。このように、始球式は単なる投球だけではなく、観客、選手、来賓がともに楽しむイベントとして進化しています。

始球式は、単に試合の始まりを告げるだけでなく、観客や選手の心に残る大切な瞬間でもあります。その意味では、試合開始を祝う重要な行事として、スポーツ文化の一環として今後も続いていくことでしょう。

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