宇都宮美術館

宇都宮美術館：自然と芸術の融合する空間

宇都宮美術館は、栃木県宇都宮市郊外に位置する美術館です。1997年、宇都宮市制100周年を記念して開館しました。26ヘクタールもの広大な敷地面積を誇る「うつのみや文化の森公園」内にあり、周囲の自然環境と調和した低層建築が特徴です。公園と美術館は一体となって「うつのみや百景」にも選定されており、訪れる人々にやすらぎと感動を与えます。

多彩なコレクションと展示

美術館は「地域と美術」「生活と美術」「環境と美術」をテーマに、近現代美術を中心に、国内外の幅広い作品を収蔵しています。その数は6500点以上に及びます。マルク・シャガール、パウル・クレー、ルネ・マグリットといった巨匠の作品から、宇都宮市ゆかりの美術作品まで、多様なコレクションを誇ります。常設展では、厳選された作品が展示され、来館者は時代や様式を超えた美術の世界に触れることができます。展示替えも定期的に行われているため、何度訪れても新たな発見があります。ただし、全ての作品が常に展示されているわけではないため、事前に美術館へ確認することをお勧めします。

特に注目すべき収蔵品としては、シャガールの「静物」、クレーの「上昇」、マグリットの「大家族」と「夢」、カンディンスキーの「鎮められたコントラスト」「浮遊」「横切る赤」、黒田清輝の「夏図習作（横たわる女）」、中村彝の「自画像」、李禹煥の「照応」などが挙げられます。これらの作品は、近現代美術史における重要な位置を占めるものです。

美術館の施設と運営

美術館の建物は、岡田新一設計事務所によって設計されました。3つの展示室は、ガラス壁をメインとしたホールと廊下で繋がっており、開放的でゆったりとした空間を演出しています。建築面積は5,036㎡です。開館時間は9時30分から17時まで（入館は16時30分まで）、休館日は毎週月曜日（祝日の場合は翌日）、年末年始、および特別整理期間などです。入館料は一般310円、大高生210円、中学生以下100円となっており、宇都宮市内の小・中・高校生は無料です。

公益財団法人うつのみや文化創造財団が指定管理者として運営を行っています。

企画展とイベント

宇都宮美術館では、常設展に加え、様々な企画展も開催されています。過去には、ヴィンタートゥール美術館所蔵のモダンアートコレクション展や、サミュエル・メスキータの日本初回顧展などが開催され、大きな話題となりました。また、「おじさんの顔が浮かぶ日」というユニークなプロジェクトも実施し、地域に密着した活動も積極的に行っています。これらの企画展は、来館者に新たな視点や驚きを提供し、美術への関心を高める役割を果たしています。

アクセスと周辺環境

宇都宮美術館は、公共交通機関を利用してアクセス可能です。また、広大な「うつのみや文化の森公園」内に位置しているため、自然豊かな環境の中で美術鑑賞を楽しむことができます。公園内には、美術館以外にも様々な施設があり、一日を通して楽しむことができます。同じ市制100周年記念事業として開業した「道の駅うつのみや ろまんちっく村」も近くにあります。

宇都宮美術館は、単なる美術鑑賞の場ではなく、地域社会に開かれた文化拠点として、人々の生活を豊かにする役割を担っています。

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