安曇野市豊科郷土博物館

安曇野市豊科郷土博物館：安曇野の歴史と文化を伝える拠点

長野県安曇野市豊科にある安曇野市豊科郷土博物館は、1979年（昭和54年）に開館した郷土博物館です。南安曇郡で最初の登録博物館として、長年にわたり安曇野の自然、歴史、民俗、文化に関する貴重な資料を収集、保存、展示することで、地域社会に貢献しています。

博物館の活動

1. 常設展：

博物館の中核をなす常設展では、安曇野の歴史と文化を多角的に紹介しています。時代やテーマ別に構成された展示を通して、来館者は安曇野の豊かな自然環境、歴史的変遷、独自の民俗文化、そして芸術的な創造性を深く理解することができます。展示資料は、安曇野の自然を象徴する北アルプスの生物標本から、郷土の民具、そして著名な芸術家の作品まで多岐に渡り、来館者に多様な視点からの学びを提供します。

2. 特別展：

常設展に加え、時代背景やテーマを絞った企画展を定期的に開催。これまでに、安曇野の地域社会の再発見につながるような様々なテーマの企画展を実施し、地域住民の関心を高め、地域活性化に貢献してきました。

3. 教育普及活動：

博物館は、地域住民への教育普及活動にも積極的に取り組んでいます。講演会や博物館講座、学習会などを開催し、歴史や文化に関する知識を深める機会を提供。特に子供たちへの教育に力を入れており、未来を担う世代への郷土愛の醸成に貢献しています。

主な展示資料

博物館には、安曇野の歴史と文化を物語る貴重な資料が数多く収蔵されています。

美術工芸品：江戸末期から明治初期の文人画家、政治家、啓蒙家としても活躍した藤森桂谷の作品や資料、明治から昭和期の日本画家・井口香山の代表作「槍ヶ岳・穂高岳六曲屏風」、江戸中期の狩野派画家・狩野梅玄の「三国志六曲屏風」、彫刻家・小林章の作品など、質の高い美術工芸品が展示されています。
映画資料：著名な映画監督・熊井啓の資料も収蔵されており、彼の作品と安曇野との関わりについて学ぶことができます。
民俗資料：安曇野の生活文化を反映する郷土民具は、地域の生活様式や歴史を知る上で貴重な資料です。
自然科学資料：北アルプスと安曇野の生物標本は、地域の豊かな自然環境を理解する上で重要な役割を果たしています。

出版物

博物館では、安曇野の歴史や文化に関する書籍を販売しています。例えば、『豊科町誌』『命の水　安曇平の水利史・豊科編』『豊科町の土地に刻まれた歴史』など、地域研究に貴重な情報を提供する書籍が揃っています。

アクセスと周辺情報

博物館はJR大糸線豊科駅から徒歩約15分の場所に位置しています。周辺には安曇野市役所、安曇野市豊科近代美術館、田淵行男記念館などがあり、文化施設めぐりを楽しむことができます。

まとめ

安曇野市豊科郷土博物館は、地域の貴重な歴史と文化を保存し、次世代へと継承していく重要な役割を担っています。常設展や企画展、教育普及活動を通して、地域住民だけでなく、多くの観光客にも安曇野の魅力を伝える拠点として、その存在感を増しています。

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