富士屋ホテル

富士屋ホテルの歴史と魅力

富士屋ホテル（ふじやホテル）は、神奈川県箱根町に位置し、1878年に創業した日本を代表する老舗ホテルです。このホテルは、現在国際興業グループに属しており、長い歴史と伝統を持ちながらも、近代化を遂げています。

立地と建築スタイル

ホテルは国道1号に面しており、そのランドマークとして知られています。箱根駅伝の中継でも選手の位置関係を示す際に利用されることがあります。現存する本館は、和洋折衷の木造建築で、唐破風を取り入れたデザインが特徴的です。この建物は、明治時代の建築様式を現代に伝え、多くの観光客に愛されています。

創業者の理念

創業者である山口仙之助は、「外国人の金を取るをもって目的とす」という言葉を残し、外国人を対象としたリゾートホテルを目指しました。彼の努力により、ホテルは19世紀末に外国人専用として指定されるとともに、戦後しばらくは連合国軍専用宿舎として使用されました。この時期、日本の文化を紹介するための展示も行われました。

箱根の発展に寄与

山口仙之助は、箱根地域の発展に尽力し、道路建設や水力発電にも手を伸ばしました。また、その後を継いだ3代目の山口正造は、乗合バスの運行を開始し、ホテルマンの育成にも尽力しました。彼によって設立された「富士屋ホテルトレイニングスクール」は、後に立教大学観光学部の設立につながっています。

著名人との関わり

富士屋ホテルは、昭和天皇やタイ国王、オーストリア皇太子など、多くの著名な皇族や王族にも宿泊されてきました。さらに、ウィンストン・チャーチルやヘレン・ケラー、チャーリー・チャップリンといった国際的な著名人にも好まれ、特別な滞在先となりました。特に別館には、ジョン・レノンとオノ・ヨーコが滞在していた部屋があり、ホテル内のツアーで見学可能です。

戦争とその影響

第二次世界大戦中には、東京への空襲を避けた多くの外国勢力の外交官や軍人が、ホテルを一時的な宿舎として利用しました。この歴史も、富士屋ホテルの豊かな伝統に寄与しています。

リニューアルと再開

老朽化が進んだ本館は、2018年に一時的に休業し、大規模な耐震改修工事とリニューアルを行いました。2020年7月に再オープンし、大浴場や新たな食堂も完備され、再び多くのゲストを迎え入れています。

多様な施設

富士屋ホテルには、本館をはじめ、西洋館、花御殿、フォレスト・ウイング、食堂棟、カスケード・ウイング、そして別館の旧御用邸など、様々な宿泊施設が揃っています。各施設にはそれぞれ異なる魅力があり、レストランやスパ、プールなども完備されています。また、庭園やベーカリーも併設され、訪れる人々に多彩な体験を提供しています。

まとめ

富士屋ホテルはその美しい建築様式や長い歴史、地元への貢献と共に、国内外の著名なゲストに愛され続けてきました。魅力的な施設と温かみのあるサービスが、訪れる人々に特別な感動を与えています。

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