富山ライトレール

富山ライトレール株式会社について

富山ライトレール株式会社は1999年に設立され、富山県富山市で富山港線を運営していた第三セクターの鉄道およびバス事業者でした。富山市の交通網の一翼を担う存在として、地域の公共交通を活性化させる役割を果たしました。2020年には富山地方鉄道に吸収合併されましたが、その歴史と事業内容について詳しくご紹介します。

設立から運営開始までの歴史

富山ライトレールの起源は、JR西日本が提案した富山港線の路面電車化構想にさかのぼります。2003年には当時の富山市長がこのプランを表明。2004年に富山市役所内に専用の推進室が設立され、同年には新会社の設立準備会が開かれました。

2004年4月に創立総会を迎え、富山ライトレールの社名が決定。8月には国に事業許可を申請し、2005年に富山港線の路面電車化工事が始まりました。2006年4月29日には正式に開業を果たし、同年にはグッドデザイン賞も受賞しました。

事業のクローズと合併

その後、数回にわたる運営改善や地域交通の活性化策が推進されましたが、2020年2月22日、富山ライトレールは富山地方鉄道に吸収され、約76年ぶりに運営体制が変わることとなりました。これに先立ち、同年の2月21日には引き継ぎ式が行われ、新たな体制が整いました。

主要な鉄軌道事業

富山ライトレールが運営していた富山港線は、元々JR西日本が運営していた路線であり、その後路面電車化が進められました。開業時には「富山ライトレール線」という名称で、富山駅北駅から岩瀬浜駅までの区間を運行していました。

車両と特徴

運行にあたってはTLR0600形という高床式の低床路面電車を採用しており、愛称は「ポートラム」と名付けられました。この名称は「港」と「路面電車」を組み合わせたものです。外装は立山の新雪をイメージした白色を基調としており、鮮やかなアクセントカラーが施されています。この愛らしいデザインが地域住民や観光客にも親しまれました。

バス事業の概要

富山ライトレールは、富山港線の駅に接続するフィーダーバスの運行も行っていました。2006年度の移管開業に伴い、試験的な運行が始まり、2007年度から本格的に運営が開始されました。主要なルートには蓮町・草島ルートや岩瀬浜駅を経由するルートがあります。

経営状況

開業初年度の2006年度は268万円の純利益を記録し、その後も少しずつ利益を上げていく形となりました。特に2009年度には3,017万円の純利益を計上しましたが、運行費用の大部分は富山市からの補助金で賄われており、健全な経営を維持していくことが難しい状況にありました。

まとめ

富山ライトレールは地域交通の重要な役割を担い、その運営を富山地方鉄道に引き継いだことで、さらなる発展を期待されています。これまで培われた実績は、今後の公共交通活動に活かされることでしょう。

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