富山信用金庫

富山信用金庫（とやましんようきんこ）

富山信用金庫は、富山県富山市に本店を置く信用金庫であり、地元では「とみしん」の通称で親しまれています。そのルーツは明治時代に遡り、地域の産業発展を支える目的で設立されました。

沿革

富山信用金庫の歴史は、1902年1月18日に設立が認められた富山売薬信用組合に始まります。同年4月7日には富山市の鍛治町で業務を開始しました。当初は重要物産同業組合法に基づく組織でしたが、1917年に市街地信用組合法に基づく信用組合へと組織を変更しています。

昭和時代に入り、1943年7月10日には富山市信用組合と合併し、同年7月29日には市街地信用組合法の施行に伴い、富山信用組合と改称しました。しかし、1945年8月2日の富山大空襲により、本店や二番町支店の建物、重要書類が焼失するという甚大な被害を受けました。終戦後、直ちに現在地での建物再建に取り組み、業務を継続しました。

戦後の金融制度の再編に伴い、1951年10月20日には信用金庫法が施行されたことを受け、信用金庫へと転換し、富山信用金庫として新たな歩みを始めました。その後も地域の信用金庫との統合を進め、1957年7月1日には四方信用金庫と合併し、組織の強化を図りました。

本店ビルの建設も進められ、1959年11月30日に現在の本店社屋が完成し、同年12月20日から営業を開始しました。金融サービスの近代化にも積極的に取り組み、1976年3月22日には普通預金、翌1977年6月13日には定期性預金のオンラインシステムを導入し、顧客サービスの向上に努めました。インターネット時代の到来に対応し、1998年8月5日には公式サイトを開設しています。

2000年代以降も、経営基盤のさらなる強化を目指し、他信用金庫との統合を進めました。2003年10月20日には射水信用金庫と合併し、2011年2月14日には上市信用金庫との合併を実現しました。この上市信用金庫との統合により、富山信用金庫の総預金残高は県内の他の信用金庫を上回り、富山県内最大規模の信用金庫となりました。また、北陸三県の信用金庫の中では、福井信用金庫、金沢信用金庫に次ぐ規模となっています。上市信用金庫との合併に伴い、旧上市信金の店舗は富山信金の店舗網に組み込まれ、旧本店営業部は「上市営業部」、旧富山支店は「大泉支店」にそれぞれ名称が変更されました。旧上市信金店舗には新たな店舗コードが付与されています。

近年では、顧客とのコミュニケーションを深めるため、2014年10月27日にLINE公式アカウントを開設しました。また、技術の進歩に対応し、2024年6月3日からは磁気の影響を受けにくいHi-Co通帳の取り扱いを開始するなど、サービスの多様化を進めています（ただし、一部の信用金庫ATMではHi-Co通帳が利用できない場合があります）。

店舗ネットワークとATMサービス

富山信用金庫は、地域に根差した店舗網を展開しています。2019年3月時点の店舗数は合計29店舗で、富山市内に22店舗、射水市内に4店舗、高岡市、中新川郡上市町、中新川郡立山町にそれぞれ1店舗が設けられています。加えて、融資や年金相談に特化した「B&Lコンサルティングスクエア」も富山市内に設置し、専門的なニーズに対応しています。

ATMサービスにおいては、利用者負担の軽減に注力しています。北陸三県（富山県・石川県・福井県）に本店を置く信用金庫のカードであれば、「しんきん北陸トライアングルネットワークATMサービス」により、提携ATMでの入出金手数料が終日無料となります。また、北陸三県以外の信用金庫カードでも、「しんきんATMゼロネットサービス」を利用すれば、平日の特定の時間帯（8:45～18:00の入出金）や土曜の特定の時間帯（9:00～14:00の出金）において手数料無料で利用可能です。

イメージキャラクター「とみたん」

富山信用金庫の公式イメージキャラクターは「とみたん」です。2011年2月14日に誕生したとみたんは、その愛らしい姿で地域に親しまれています。2013年には「ゆるキャラグランプリ」に参加し、地域金融機関のキャラクターとして最多の票を獲得して「企業・その他」部門で22位となりました。翌2014年も参加し、着ぐるみを新調したこともあり、同部門で富山県内のキャラクター中1位を獲得するなど、富山信用金庫の顔として広く認知されています。

もう一度検索