富山市民俗民芸村

富山市民俗民芸村：歴史と文化が息づく複合施設

富山県富山市安養坊に位置する富山市民俗民芸村は、9つの個性豊かな施設が集積した、公立の文化施設集落です。緑豊かな呉羽丘陵の東麓に点在する各施設は、緩やかな坂道を散策しながら楽しむことができます。

各施設の見どころ

ここでは、民俗民芸村を構成する各施設の特色を簡単にご紹介します。

1. 富山市民芸館

1965年開館の富山市民芸館は、明治12年建造の板蔵を移築した本館と、改築された別館から成り立っています。館内には、陶芸品、染織品、木漆器など、全国各地から集められた民衆的な工芸品が約1800点展示されています。これらの作品は、丁寧な手仕事によって生み出された「用の美」の象徴と言えるでしょう。

2. 富山市民芸合掌館

江戸時代末期に建造された茅葺きの合掌造り家屋を移築した富山市民芸合掌館。ケヤキや赤松などを使った重厚な木造建築は、豪雪地帯ならではの工夫が凝らされています。館内には、江戸時代以降の家具や工芸品が展示され、合掌造りの空間と調和した展示が魅力です。

3. 富山市民俗資料館

江戸時代後期の農家住宅を移築した富山市民俗資料館は、馬屋や中2階、屋根裏部屋など、当時の生活空間をそのままに再現しています。衣食住や祭礼、農耕、養蚕など、多様な生活用具が約2500点展示され、かつての暮らしを垣間見ることができます。

4. 富山市考古資料館

富山市内の遺跡から出土した、旧石器時代から平安時代までの考古資料を展示する富山市考古資料館。約20万点に及ぶ収蔵品は、富山地方の歴史を紐解く貴重な資料です。また、館内には、地元で考案されたユニークなキャラクター「バン爺」も登場します。

5. 富山市陶芸館

明治27年建造の豪農の館を移築した富山市陶芸館は、国の登録有形文化財にも登録されています。美しい白壁と格子状の木組みが特徴的な建物内では、江戸後期から明治期の陶磁器約100点が展示されています。越中瀬戸焼や小杉焼など、富山を代表する焼き物も鑑賞できます。

6. 富山市売薬資料館

富山の売薬の歴史を伝える富山市売薬資料館。柳行李や懸場帳など、薬売りの道具や医薬品、信仰儀礼用具などが展示されています。約4000点の収蔵品の中には、国の重要有形民俗文化財に指定されているものも含まれます。江戸時代の土蔵を移築した別館も併設されています。

7. 富山市篁牛人記念美術館

富山市出身の水墨画家、篁牛人の作品を紹介する富山市篁牛人記念美術館。1989年、富山市制100周年を記念して開館しました。篁牛人の作品に加え、親交のあった日本画家、般若一郎の作品も展示されています。

8. 茶室 円山庵

大正9年に建てられた茶室を移築した円山庵は、静かな佇まいと立山連峰の眺望が魅力です。抹茶の提供や、茶室の貸し出しも行われています。

9. とやま土人形工房

富山藩が嘉永年間に始めた伝統的な郷土玩具「富山土人形」の工房です。土人形の制作工程や絵付け体験などもできます。

民俗民芸村の成り立ちと発展

1965年、富山市民芸館の開館を皮切りに、順次施設が拡張され、1979年には「民俗民芸村」として名付けられました。その後も新たな施設が建設され、現在のような複合施設へと発展を遂げています。

アクセスと周辺情報

富山地方鉄道やバスを利用してアクセスできます。周辺には、五百羅漢など、歴史的な観光地も点在しています。

まとめ

富山市民俗民芸村は、歴史、文化、そして自然を満喫できる貴重なスポットです。それぞれの施設が持つ個性と、それらを繋ぐ美しい景観は、訪れる人々に忘れられない思い出を与えてくれるでしょう。ぜひ、富山を訪れた際には、この魅力的な複合施設を訪れてみてください。

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