富山県埋蔵文化財センター

富山県埋蔵文化財センター：歴史と文化に触れる旅

富山県富山市茶屋町に位置する富山県埋蔵文化財センターは、1977年4月1日に開所した公立施設です。県内約4200ヶ所の遺跡から発掘された貴重な考古資料の調査、研究、そして一般への公開を目的として設立されました。全国的にも早い段階で設立された埋蔵文化財専門施設として、その歴史と役割は県民の文化理解に大きく貢献しています。

センターの役割と活動

センターは、単なる資料保管施設にとどまりません。発掘調査から出土した遺物の保存・管理、学術的な調査研究はもちろんのこと、一般の人々にも考古学の魅力を伝えるための積極的な活動を展開しています。

常設展示室には、小竹貝塚などから出土した縄文時代の遺物が展示されています。小竹貝塚は、日本海側最大級の貝塚として知られ、人骨や土器、装飾品など、当時の生活を偲ばせる数々の貴重な資料が展示されています。これらの資料は、専門家の調査研究を通して、古代の生活や社会構造、文化交流などを解明するための重要な手がかりとなります。

さらに、センターでは企画展も定期的に開催され、テーマに沿った資料や解説を通して、より深く考古学を理解することができます。

教育普及活動への取り組み

センターは、考古学への関心を高めるための教育普及活動にも力を入れています。子供向けの体験学習として、火起こしや土器づくり、組みひもづくりなどのワークショップを開催。夏休みには小学生向けの「ふるさと考古学教室」も実施しており、子供たちが楽しみながら歴史に触れ合える機会を提供しています。

大人向けには、県民考古学講座なども開催し、考古学に関する専門的な知識を学ぶ場を提供しています。これらの教育普及活動は、地域住民の文化レベルの向上、そして次世代への歴史継承に大きく貢献しています。

主要収蔵品

センターが所蔵する考古資料は、富山県の歴史と文化を理解する上で非常に重要なものです。特に重要なものとして以下のものが挙げられます。

境A遺跡出土品（国の重要文化財）：この遺跡から出土した遺物は、日本の歴史を紐解く上で重要な資料です。
越中地域考古資料〔早川荘作蒐集品〕（国の登録有形文化財）：このコレクションは、越中地域の考古学研究に大きな貢献を果たしています。
小竹貝塚など富山県内からの出土品、資料：小竹貝塚からは、縄文時代の生活を伝える多くの遺物が出土しています。

施設概要

センターの建物は鉄筋コンクリート造り3階建てで、延床面積は2,990平方メートルです。各階には、展示室、収蔵室、研究室、事務室などが配置され、考古資料の保存、研究、そして展示に必要な機能が充実しています。

1階：ホール、展示室、資料整理室、保存処理室、会議室、考古体験広場、事務室など
2階：特別収蔵室、収蔵庫など
3階：研究室、製図室、撮影室、収蔵庫など

アクセス

富山駅からのアクセスも良好で、公共交通機関を利用して容易に訪れることができます。

* JR西日本・あいの風とやま鉄道富山駅から富山地方鉄道バス利用

開館時間と休館日

開館時間は午前9時から午後5時まで、入館料は無料です。休館日は毎週金曜日（祝日の場合は翌週最初の平日）と年末年始です。

まとめ

富山県埋蔵文化財センターは、考古資料の保存・研究・公開を一体的に行う重要な施設です。展示やイベントを通して、多くの人が富山県の歴史と文化に触れる機会を提供しています。訪れる際には、センターのウェブサイトで最新の企画展情報などを確認することをお勧めします。

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