対魔忍アサギ

『対魔忍アサギ』（たいまにんアサギ、TAIMANIN ASAGI）は、2005年にLilithより発売されたアダルトゲームで、対魔忍シリーズの記念すべき第一作目です。シリーズの略称として「TNA」とも呼ばれています。本作は、主人公である対魔忍・井河アサギと、彼女の宿敵である朧との戦いを軸に物語が展開されます。この時点では、対魔忍の統一組織「五車」は存在せず、各勢力がそれぞれの「忍びの里」を拠点としている状況です。

作品の特徴

本作の大きな特徴として、原画およびキャラクターデザインをカガミ氏が担当している点が挙げられます。カガミ氏は、この作品以降、『対魔忍ユキカゼ』や『ユキカゼ2』、『紅』などを除くほとんどのシリーズ作品でキャラクターデザインを手掛けており、シリーズの顔とも言える存在です。

また、本作はゲーム以外にも、OVAやアダルトビデオなど、様々なメディアミックス展開が行われました。これらの展開は、本作の人気をさらに押し上げる要因となりました。

『対魔忍アサギ外伝カオス・アリーナ編』

シリーズ二作目として発売された『対魔忍アサギ外伝カオス・アリーナ編』では、前作では語られなかったスネークレディや朧との戦い、そしてアサギが経験する凌辱の描写が描かれています。本記事では、この外伝についても合わせて解説します。

リリース情報

『カオス・アリーナ編』は、2005年12月に開催されたコミックマーケット69で頒布され、その後ダウンロード版が配信されました。また、『PREMIUM BOX』にも収録されています。

2006年には、CGやシナリオを追加したリメイク版『対魔忍アサギ完全版』が、Lilithの姉妹ブランドであるANIME LiLiTHから発売されました。この『対魔忍アサギ完全版』も、後に発売された『PREMIUM BOX』に一部内容を変更した上で収録されています。

英語版配信に向けた動き

2019年8月19日、シリーズ監修者の笹山逸刀斎氏が、ダウンロードサービスSteamでの『対魔忍アサギ』配信を検討している旨をツイートしました。これは大きな関心を集めましたが、最終的には配信が認められず、ストアページは取り下げられました。

笹山氏は、Steamでの審査が未成年と疑われるビジュアルに対して非常に厳しかったと述べています。一方で、日本国内でも同様の表現に対する締め付けが厳しくなってきている状況についても言及し、次回の作品である「人妻もの」の配信ではこの経験を活かしたいと話しています。

一般向けゲームを主に扱うニュースサイト・AUTOMATONのMinoru Umise氏は、Steamでの配信が認められなかった理由として、本作のストアページに露骨なCGが公開されていたことを指摘しています。他のアダルトゲームのように、一般向けの内容をSteamで配信しつつ、性的描写を含むパッチを外部で配布する方式ではなく、成人向けの内容をそのままSteamで配信しようとしたことが原因の一つではないかと推測しています。

一方、アメリカのニュースサイトNiche GamerのRyan Pearson氏は、落選の原因として、ストアページに18歳未満の登場人物が登場しない旨が記載されているにもかかわらず、学生服を着たキャラクターが登場していたことを挙げています。

あらすじ

対魔忍アサギ

最強の対魔忍として知られるアサギは、魔に堕ちた忍である朧を倒し、引退して恋人の恭介、妹のさくらと共に平和な日々を送っていました。しかし、死んだはずの朧が対魔忍を殺して回っているという情報が入り、アサギは再び戦うことを決意します。ところが、朧は恭介の体を乗っ取り、アサギを催眠で捉え、全身の感度を増強する改造を施します。アサギは恭介ごと朧を倒しますが、その裏には井河の長老たちの陰謀があったことを知り、彼らを皆殺しにします。

登場人物

井河アサギ（いがわアサギ）
声 - 中瀬ひな（現なかせひな）
主人公。最強の対魔忍であり、その圧倒的な力で魔物を葬ります。井河家の跡取りですが、両親は幼い頃に亡くなり、現在は妹のさくらと二人暮らしです。幼馴染の沢木恭介とは恋人同士です。身長167センチメートル。得物の忍刀「悪鬼六文」による「逸刀流」の剣術、異能系忍法「隼の術」、高速移動する「光陣華」、蹴り技の対魔殺法「刀脚」などを使います。23歳。紫色の対魔忍スーツを身につけています。3年前に朧に恨まれ、囚われた際に性感帯の感度が3000倍に改造され、催眠刻印を施され自由意志も奪われ、カオス・アリーナで一方的な敗北と凌辱を経験します。
『カオス・アリーナ編』では、スネークレディやふたなり化した朧、一般人の男たちに凌辱されます。

朧（おぼろ）
声 - 児玉さとみ、榎津まお（『the Nightmare』）
多国籍複合企業体「ノマド」に与する元対魔忍。「マダム」と呼ばれています。手甲から伸びる鉤爪を武器とし、強力な呪術系忍法「催眠刻印」を使います。アサギによって一度は殺されますが、下等妖魔に身を宿して生き延び、復讐のため恭介に寄生し、その肉体を奪います。デザイナーのカガミ氏のお気に入りキャラクターです。
『カオス・アリーナ編』では、アサギを電車に連れ込み、恭介の性器を実体化させて凌辱します。さらに、スネークレディや多数の男たちと痴漢&SMプレイを繰り広げます。

井河さくら（いがわさくら）
声 - 逢川奈々（『アサギ』および『アサギ完全版』）、黒岩心々（『PREMIUM BOX版アサギ完全版』）
アサギの妹で、姉思いの活発な少女。姉同様に優れた才能を持っていますが、力量は未熟です。得物はアサギと色違いの忍刀で、異能系忍法「影遁の術」を使います。推定15歳。朧に捕らえられ、アサギと同様に性感帯を3000倍に改造されますが、精神力で対抗できないため、特別な抑制薬を定期的に服用する必要があります。

エドウィン・ブラック (Edwin Black)
犯罪組織「ノマド」の創始者。生まれながらの吸血鬼であり、伝承上の弱点を持たない。自らの生命の危機を得がたい最大の興奮としており、過去に交雑に対する特異体質を持つ人間の女性・心願寺楓との間に2児をもうけた。

沢木恭介（さわききょうすけ）
アサギの幼馴染であり婚約者。26歳。朧に肉体を乗っ取られたことが原因で、アサギを窮地に陥れてしまいます。

アサギの祖父
対魔忍を束ねる統領であり、アサギたちの祖父。アサギの引退後に対魔忍として復帰しました。アサギが引退する前に朧の暗殺を依頼しています。

パワーレディ
声 - 逢川奈々（『アサギ』『アサギ完全版』）
カオス・アリーナの闘奴（女戦士）。

スネークレディ
声 - 金松由花
『カオス・アリーナ編』に登場するナーガ族の両性具有者。エドウィン・ブラックと友人関係にあります。ローションプールファイトで人気を博しており、「スネークポイズン」を使います。アサギを愛でるようなフェムドムプレイや朧と痴漢&SMプレイで凌辱します。

メディアミックス

OVA

『アサギ完全版』を原作とするアダルトアニメ（OVA作品）です。制作はPixy。2007年から2012年にかけてリリースされました。

タイトル

『対魔忍アサギ Vol.01 逆襲の朧』
『対魔忍アサギ Vol.02 姦獄のアリーナ』
『対魔忍アサギ Vol.03 姉妹、相打つ！』
『対魔忍アサギ Vol.04 闇に舞うくノ一』
『対魔忍アサギ DVD-BOX』

アダルトビデオ

『アサギ』を原作とするアダルトビデオも複数制作されています。

対魔忍アサギ
アタッカーズ（スーパースペシャル）レーベルよりリリース
対魔忍アサギ淫謀の東京キングダム
対魔忍アサギ ANOTHER STORY ～終わらない拘束調教アクメ～
リリス系列のZIZレーベルよりリリース
対魔忍さくら ANOTHER STORY ～学園に潜む魔物たち～
リリス系列のZIZレーベルよりリリース
裏切りの対魔忍朧 ANOTHER STORY ～屈辱の奴隷調教～
リリス系列のZIZレーベルよりリリース
対魔忍アサギ ANOTHER STORY ～奴隷娼婦、墜落の対魔忍～
リリス系列のZIZレーベルよりリリース
鋼鉄の魔女アンネローゼ VS 対魔忍アサギ～2大ヒロイン屈辱のアヘ顔陥落～
リリス系列のZIZレーベルよりリリース。本作が初の実写化となる「鋼鉄の魔女アンネローゼ」とのコラボレーション作品です。

小説

対魔忍アサギ
* 監修LiLiTH、著者蝦沼ミナミ、絵カガミによるノベライズ版。

反響

本作に登場する個性的なキャラクターや、ニッチなHシーンはネットミームとなりました。特に、「感度3000倍」というフレーズは、対魔忍シリーズにおける一般向け作品の宣伝文句や、対魔忍シリーズとは無関係のコミュニティでも使用されています。

評価

Media Clipのイ・ヤン提督は、『カオス・アリーナ編』のHシーンの内容を評価しつつも、ボリューム不足を指摘しています。

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