専属モデル

専属モデルについて

専属モデルとは、特定のファッションブランドや雑誌と排他的な契約を結んでいるモデルのことを指します。この契約形態は、主にファッション業界で幅広く用いられており、モデルとしての活動を通じて特定の媒体に長期間登場することが期待されます。

専属契約の概要

専属契約を結ぶことでモデルは事務所に所属するケースが多く、その契約内容は一般的に特定のジャンルに限定されています。たとえば、あるファッション雑誌の専属モデルに選ばれると、その雑誌に掲載される機会が増える一方で、競合の雑誌には出演できないという制約が生まれます。しかし、雑誌の内容に関連しない広告やイベントには参加できるため、完全に仕事が制限されるわけではありません。

2000年代以降は、専属契約の内容が変化してきました。以前は、特定の雑誌社にのみ所属することが当たり前とされていましたが、今では一人のモデルが複数のファッション雑誌で活躍する姿が見られるようになっています。たとえば、モデルの宮田聡子は『with』の専属モデルでありながら、『GINGER』や『Oggi』など他の多数の雑誌でもレギュラーとしての活動を行っています。また、小林由依や濱岸ひよりも同様に、『with』の専属モデルでありながら『andGIRL』でも活躍しています。このように、一つの雑誌に特化することだけが専属モデルの役割ではなくなりつつあるのです。

さらに、モデルの小籔千豊は『NYLON JAPAN』『VOCE』『ViVi』の3つの雑誌で同時に専属モデルを務める事例もあり、彼の例からも見て取れるように、「専属モデル」とは実際にはその雑誌の象徴的なモデルであるという意味合いが強くなっています。これらのモデルは、それぞれが異なるバックグラウンドを持ちながら活躍しており、芸人やアイドルとしての活動も含まれています。

契約の性質とリスク

専属契約を締結すると、モデルは契約期間中に仕事を継続的に得られるという「安定雇用」に近い状態を期待することができます。しかし実際には、事務所との契約が雇用契約ではなく、モデルが個人事業主として扱われるマネジメント委託契約であるため、事務所側が仕事の継続提供を義務付けることが明記されるケースは少ないと言えます。この事務所側の判断により、時には「飼い殺し」にされてしまうこともあるため、注意が必要です。

また、この契約形態では法的な労働基準が適用されないため、モデルの労働条件が不利になることがあります。専属契約によって報酬の交渉権が事務所に委ねられ、モデル自身が交渉を行うことが難しくなることからも、契約の内容には慎重さが求められます。モデルとしてのキャリアを形成する上で、こうした契約形態やリスクを理解することは非常に重要です。

まとめ

専属モデルは、特定のブランドや雑誌との排他的な契約を結び、ファッションの世界で重要な役割を果たしています。しかし、契約内容や事務所との関係によって、大きな影響を受けることがあります。そのため、モデルは契約の詳細をよく理解し、影響を考慮した上で活動することが求められます。

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