小山本家酒造

株式会社小山本家酒造

株式会社小山本家酒造（Koyama Honke Syuzo Co., Ltd.）は、埼玉県さいたま市西区指扇に本社を置き、清酒を主とする酒類の製造と販売を行っている企業です。グループは「世界鷹小山家」として知られ、その中でも中心的な存在を担っています。

概要

創業者である小山屋又兵衛は1736年、当時の播州・宮北村（現：兵庫県播磨町）で誕生し、灘、伊丹、伏見などで酒造りの技術を磨きました。その後1780年頃に関東へ移り住み、足立郡白幡村（現在のさいたま市南区）で酒造業を始めました。1808年には、現在の本社位置である武蔵国足立郡指扇村にて良質な湧き水を発見し、酒造蔵を設立しました。

最初は「最高の酒を少なく追加高で売る」という方針を掲げ高級酒を目指していましたが、1970年代からは経営方針を転換し、大量生産と全国展開を進めました。1980年代には清酒製造に電算制御技術を導入し、バイオテクノロジーを用いて清酒酵母の開発にも着手。2003年頃からは清酒の海外市場への輸出にも力を注いでおり、2008年にはさいたま市の伝統産業事業所として認定されました。

この時期に全国の清酒メーカーを合併・買収することで成長し、現在は世界鷹小山家グループとして全国に5つの酒蔵を保有。それぞれの地域の特色を生かした分社経営を展開しています。グループ全体での清酒出荷数は、2006年には全国第6位、2010年には第7位、2018年には第4位となり、東日本では最大手の酒造メーカーとされています。企業の理念は「品質第一主義」です。

また、オーナー家である小山酒造（東京都北区）との関係もあり、2018年に小山酒造の清酒製造事業が小山本家酒造に譲渡される協議が行われました。現在の会長である小山景市は、埼玉県酒造組合の会長を務めながら、日本酒造組合中央会関東信越支部の長も兼任し、2020年には旭日小綬章を受章しました。

沿革

- 1808年 (文化5年)：創業者の小山屋又兵衛が指扇村で酒造業を開始。
- 1963年 (昭和38年)：株式会社小山本家酒造設立。
- 1974年 (昭和49年)：世界鷹酒造株式会社がグループに加入。
- 1983年 (昭和58年)：株式会社共同精米設立。
- 1986年 (昭和61年)：株式会社北鹿が加入。
- 1987年 (昭和62年)：雪椿酒造株式会社がグループに。
- 1989年 (平成元年)：賜杯桜酒造株式会社と有限会社福鶴が加入。
- 1990年 (平成2年)：世界鷹総合研究所設立。
- 1993年 (平成5年)：株式会社越の日本桜酒造が参加。
- 1997年 (平成9年)：世界鷹酒造株式会社が京姫酒造へ社名変更。
- 2011年 (平成23年)：賜杯桜酒造株式会社が合併。
- 2013年 (平成25年)：浜福鶴銘醸が合併。

代表銘柄と受賞歴

代表的な銘柄には「金紋世界鷹」や「世界鷹」、さらには「都鷹」があり、それぞれ全国新酒鑑評会で多くの金賞を受賞しています。

代表銘柄

- 金紋世界鷹：全国新酒鑑評会金賞受賞。
- 世界鷹：複数の金賞を受賞。
- 都鷹：全国新酒鑑評会金賞を多数受賞。

グループ企業

小山本家酒造は、いくつかの関連企業を持ち、それぞれ特色ある酒造りを行っています。

- 株式会社世界鷹総合研究所
- 株式会社サイタマ酒販
- 株式会社共同精米
- 株式会社北鹿（秋田県）
- 雪椿酒造株式会社（新潟県）
- 越後桜酒造株式会社（新潟県）
- 賜杯桜酒造株式会社（茨城県）
- 株式会社京姫酒造（京都市）
- 株式会社浜福鶴銘醸（神戸市）

まとめ

株式会社小山本家酒造は、歴史と技術に裏打ちされた清酒製造を続け、国内外での展開を積極的に進めている企業です。その品質と独自性は、地域に根ざした酒造りの象徴として多くの人々に愛されています。

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