少年よ

シングル「少年よ」について

「少年よ」は、布施明のシングルとして2005年3月24日にリリースされました。エイベックスから発売されたこのシングルは、平成仮面ライダーシリーズの第6作『仮面ライダー響鬼』の主題歌として広く知られています。

ジャケットには、仮面ライダー響鬼（ヒビキ）が描かれており、曲名と共に番組名が記されています。この楽曲は、藤林聖子が作詞を手掛けており、主人公のヒビキと名もない少年・安達明日夢との関係性からインスパイアを受け、「自分の生き方を見つけろ」というテーマが込められた応援歌です。特に、現代の少年たちに向けたメッセージが響きます。この曲は、ドラマの1話から最終話までのエンディングテーマとして使われており、その中で一部のエピソードでは2番の歌詞が用いられることもありました。

作曲は佐橋俊彦が担当し、彼は作曲において、番組に登場するミュージカルな描写を踏まえ、ミュージカルナンバーに近い楽曲を意識していました。また、彼自身が布施の「君は薔薇より美しい」のファンであったため、布施の歌声を思い描きながら作曲を進めたとのことです。このように、楽曲には布施の声とキャラクターが融合したサウンドが生まれました。

「少年よ」とは対照的に、シングルには「輝（かがやき）」という楽曲も収録されています。こちらは「勇壮」をテーマにしたインストゥルメンタルで、1話から最終話までのオープニングテーマとして使用されました。この楽曲は、東映のヒーロー番組では初めてのインストゥルメンタル楽曲であり、トランペットやエレキギターを使った多彩なアレンジが施されています。エピソードごとに異なるアレンジバージョンが登場し、サウンドトラック「仮面ライダー響鬼 音劇盤」にも収められた多くのバリエーションが視聴者に楽しまれました。

このシングルは、2005年の第56回NHK紅白歌合戦にも登場し、布施はこの曲を披露しました。この時、仮面ライダー響鬼のヒビキと共に舞台に立ち、威吹鬼（イブキ）や轟鬼（トドロキ）、魔化魍（まかもう）などが登場し、華やかな演出で観客を魅了しました。

布施は、当時アップフロントワークスに在籍していましたが、タイアップの関係でこのような形でのリリースとなりました。また、収録曲には『仮面ライダー響鬼』のエンディングテーマである「少年よ」、前期オープニングテーマの「輝」、さらにコーラス入りのインストゥルメンタル版が含まれています。彼のキャリアにおいても特に印象的な役割を果たしたこのシングルは、今もなお多くのファンに親しまれています。

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