尾張津島天王祭

尾張津島天王祭の魅力と歴史

尾張津島天王祭（おわりつしまてんのうまつり）は、愛知県の津島市と愛西市で長年にわたり行われてきた重要な祭りです。この祭りは津島神社に由来し、江戸時代の資料にもその名が見られるほど、歴史深い伝統行事となっています。

祭りの概要

尾張津島天王祭は、数か月間にわたり多くの行事や神事が行われる祭りで、特に7月第4土曜日に開催される「宵祭り」と、その翌日の「朝祭り」が祭りのクライマックスです。これらは以前は旧暦の6月14日と15日に行われていました。これらの行事は「尾張津島天王祭の車楽舟行事」として、重要無形民俗文化財に認定されており、2016年には「山・鉾・屋台行事」としてユネスコの無形文化遺産リストにも登録されました。

祭りの起源

尾張津島天王祭の正確な起源は明らかではありませんが、15世紀から16世紀にかけて始まったと考えられています。祭りの由来にはいくつかの説があります。
1. 南北朝時代、津島に逃れてきた南朝方の良王親王を守るために戦っていた四家の武士が、北朝の武士によって討たれるという出来事をきっかけに始まった。
2. 西の海から須佐之男命がこの地に渡り、子供たちが草を刈る様子を見たことから祭りが始まった。
3. 神泉苑に御霊を鎮める祭事が各地に広まった結果、津島神社でも行われるようになった。

祭りの見どころ

祭りは天王川公園の「丸池」で行われることが一般的ですが、1785年まで天王川で開催されていた歴史があります。当時、津島神社の参道には長い「天王橋」があったため、織田信長もこの橋から祭りを観覧したと伝えられています。

「宵祭り」では、500以上の提灯が飾られた巻藁舟が、津島笛の音色にのせて静かに「丸池」を漕ぎ渡ります。揺らめく提灯の光は川の水面に映り、幻想的な雰囲気を醸し出します。「朝祭り」では、津島の舟に加えて愛西市佐屋地区の「市江車」が参加し、合計6艘の船が並びます。舟の上では能の衣装をまとった人形が飾られ、その上で楽器の演奏が行われ、豪華なパフォーマンスが繰り広げられます。

そして、市江車からは10人の若者が勇敢に天王川に飛び込み、布鉾を持って神前に奉納するために泳ぎ渡る姿は、祭りの一番の見どころと言えるでしょう。

近年の開催状況

その開催の影響を受けながら、2023年は7月22日と23日に行われ、6年ぶりの通常開催となりました。台風や新型コロナウイルスの影響で過去には中止や規模縮小がありましたが、今年の開催では多くの皆様に楽しんでいただけました。伝統的な祭りとして地域の人々に親しまれている尾張津島天王祭は、今後もその魅力を守り続けていくことでしょう。

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