山口敬之

山口敬之：ジャーナリストとしての軌跡と論争

山口敬之（やまぐち のりゆき）は、1966年5月4日生まれの日本のジャーナリスト、伝記作家です。元TBSテレビ報道局記者であり、報道特集プロデューサー、ワシントン支局長を歴任しました。そのキャリアは、ジャーナリズムの世界にとどまらず、政治や社会の大きな出来事に関わり、数々の論争を引き起こしてきました。

キャリアの出発点とTBS時代

東京都出身の山口は、筑波大学附属駒場高等学校、慶應義塾大学経済学部を卒業後、1990年にTBSに入社しました。報道局に配属され、報道カメラマン、ロンドン支局、臨時プノンペン支局などを経て、社会部、政治部で活躍。報道特集プロデューサーも務めました。2013年からはワシントン支局長として海外にも拠点を移しましたが、2015年に支局長を解任され、報道局から営業局へ異動、2016年にTBSを退社しました。

退社後は、ジャーナリストとしての活動に加え、アメリカ系シンクタンク「イースト・ウエスト・センター」の客員研究員としても活動しています。また、政治団体「日本シンギュラリティ党」代表や、一般財団法人「日本シンギュラリティ財団」の代表理事を務めるなど、多岐にわたる活動を展開しています。

安倍晋三との関係

山口は、安倍晋三元首相と非常に親密な関係であったことで知られています。メディアからは「安倍首相に最も近いジャーナリスト」と評され、安倍氏が衆議院解散を決断した際に、山口に演説草稿を読み聞かせたという逸話もあります。2007年当時、TBSの政治部[[記者]]だった山口は、安倍氏をはじめとする主要閣僚への取材を通じて、他社に先駆けて安倍首相の辞任をスクープしました。また、山口の実姉が安倍昭恵夫人と聖心女子学院で同級生であったことも、両者の関係を深める要因の一つであったと考えられます。

安倍晋三銃撃事件におけるフライング投稿

2022年7月8日に発生した安倍晋三銃撃事件では、山口が自身のFacebookに、安倍氏の死亡情報を速報として投稿したことが問題視されました。しかし、後に情報を確認した上で投稿したと反論しました。その後、自身の投稿が情報確認を怠ったものであるとして謝罪しました。さらに、事件に関して独自の複数犯説を唱え、論争を巻き起こしています。

韓国軍慰安婦問題

山口は、ワシントン支局長時代に、米国立公文書記録管理局の公文書から、ベトナム戦争時に韓国軍がベトナム人女性を対象とした慰安所を運営していたという事実を掴み、『週刊文春』で発表しました。この報道は韓国国内でも議論を呼びましたが、一部メディアからは捏造の可能性も指摘されています。

伊藤詩織に対する性的暴行事件

山口のキャリアにおいて最も大きな論争となったのは、ジャーナリストの伊藤詩織氏に対する性的暴行事件です。2015年、山口は伊藤氏との会食後、ホテルで性的暴行を行ったとして訴えられました。東京地方検察庁は山口を不起訴処分としましたが、伊藤氏は民事訴訟を起こし、東京高裁は山口氏が同意なく性行為に及んだと認定しました。最高裁もこの判決を支持し、山口氏に賠償が命じられました。この事件は、日本の性犯罪に対する意識や司法制度の問題を浮き彫りにし、社会的な議論を呼んでいます。

その他の係争

山口は、漫画家の小林よしのり氏や、前参院議員の有田芳生氏、れいわ新選組の大石晃子議員など、多数の人物と係争を繰り広げています。これらの係争は、名誉毀損や人権侵害などを巡るものであり、山口の言動が社会的に大きな影響力を持つことを示しています。

Netflixドラマ「新聞記者」との関連

山口は、Netflixオリジナルドラマ「新聞記者」に登場する人物のモデルの一人であるとされています。ドラマの中で描かれる権力との癒着や、事件のもみ消しといった要素が、山口の過去の行動を連想させるとの指摘があります。

著作と出演番組

山口は、『総理』『暗闘』『中国に侵略されたアメリカ』など、複数の著書を出版しています。また、テレビやラジオ、インターネット動画配信番組にも多数出演し、その発言が注目を集めています。

まとめ

山口敬之は、ジャーナリストとして輝かしい経歴を持つ一方で、数々の論争に関わり、社会的な議論を巻き起こしてきた人物です。その行動や発言は常に注目を集め、メディアやSNSを通じて大きな影響力を持っています。彼の活動は、ジャーナリズムのあり方や、社会的な問題に対する意識を高める上で、重要な役割を果たしていると言えるでしょう。

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