岡田知弘

岡田知弘について

岡田知弘（おかだ ともひろ）は、1954年7月11日生まれの日本の経済学者です。京都大学名誉教授であり、地域経済学、農業経済学、マルクス経済学を専門としています。地域経済に関する深い知識と分析力を持ち、地方自治や地域振興に関する政策提言を積極的に行っています。

学歴・職歴

1978年に京都大学経済学部を卒業後、1985年に同大学大学院経済学研究科博士後期課程を退学しました。その後、岐阜経済大学専任講師、助教授を経て、1990年に京都大学経済学部助教授、1996年に同教授に就任しました。1997年からは京都大学大学院経済学研究科教授を務め、2010年から2016年まで京都大学大学院公共政策連携研究部教授を併任しました。2019年に京都大学を定年退職し、現在は京都橘大学現代ビジネス学部教授として教鞭を執っています。

研究分野

岡田教授の研究は、地域経済学を基盤とし、農業経済学やマルクス経済学の視点も取り入れた多角的なものです。地域経済の活性化、地方自治のあり方、農村開発、原子力問題など、社会経済における重要な課題に取り組み、理論と実践の両面から研究を進めています。特に、地域住民が主体的に関わる地域づくりや、持続可能な社会の実現に向けた政策提言に力を入れています。

学会・社会活動

岡田教授は、日本地域経済学会会長（2013年12月～2017年11月）、政治経済学・経済史学会理事（1998年10月～）、自治体問題研究所理事長（2006年6月～）など、多くの学会や研究機関で要職を歴任しています。また、日本学術会議連携会員（21期・22期）として、学術の発展と社会への貢献にも積極的に携わっています。

著書

岡田教授は、多数の著書を執筆しており、その内容は多岐にわたります。単著としては、『日本資本主義と農村開発』、『地域づくりの経済学入門』、『道州制で日本の未来はひらけるか』、『一人ひとりが輝く地域再生』、『地域調査は地域づくり』、『震災からの地域再生』、『「自治体消滅」論を超えて』などがあります。これらの著書では、地域経済の課題や可能性、持続可能な社会のあり方について、深く掘り下げています。

共著としては、『21世紀への原子力』、『むらおこし・まちづくりの検証』、『地球環境問題と原子力』、『日本貿易読本』、『国際化への空港構想』、『現代世界経済の転換と融合』、『近代日本の軌跡 9 都市と民衆』などがあります。これらの共著では、原子力問題、都市問題、貿易問題、グローバリゼーション、歴史など、多岐にわたるテーマについて、専門家としての視点から分析を行っています。また、『アグリビジネス論』や『現代自治体再編論』など、専門性の高いテーマについても研究成果を発表しています。

さらに、『基本ケースで学ぶ地域経済学』や『行け行け!わがまち調査隊―市民のための地域調査入門』など、地域経済学を学ぶ上での入門書や、地域調査の実践的なガイドブックも執筆しています。

編著としては、『国際化時代の地域経済学』、『市町村合併の幻想』、『住民投票の手引』、『京都経済の探究』、『「生存」の歴史と復興の現在』などがあり、共同編著としては『地域自治組織と住民自治』、『グローバリゼーションと世界の農業』、『協働がひらく村の未来』、『山村集落再生の可能性』など、多様なテーマで研究を深めています。これらの著書を通じて、地域経済学の発展に大きく貢献していることがわかります。

テレビ出演

NHKスペシャル「プロジェクトJAPAN最終章 日本復興のために」に出演し、専門家としての見解を述べています。地域経済や復興に関する問題について、広く社会に発信する活動も行っています。

まとめ

岡田知弘教授は、地域経済学を専門とする経済学者として、教育・研究活動に加え、学会や社会活動にも積極的に関わっています。地域経済の課題や可能性について深く考察し、持続可能な社会の実現に向けた政策提言を行っています。その幅広い知識と深い分析力は、地域社会の発展に大きく貢献しています。

もう一度検索