岩手県立図書館

岩手県立図書館：歴史と文化を紡ぐ知の拠点

岩手県立図書館は、岩手県盛岡市にある公共[[図書館]]です。盛岡駅西口に位置するいわて県民情報交流センター（アイーナ）の3階と4階を占め、そのアクセス抜群の立地から、多くの人々が利用しています。2006年の開館時には、全国の都道府県立図書館として初めて指定管理者制度を導入するという画期的な試みも行われました。

初代図書館：歴史の足跡

岩手県立図書館の歴史は、1921年（大正10年）に文部大臣の認可を得て設置されたことに始まります。同年、当時の内閣総理大臣・原敬氏から図書購入費として1万円の寄付がなされ、翌年には盛岡市内丸に図書館が完成。1万5千冊を超える蔵書を誇り、防音対策として土足禁止という当時の様子を伺わせるエピソードも残っています。

その後、著名な人物からの寄贈により、村井文庫、菊池文庫、新渡戸文庫、野村文庫などが設置され、図書館の蔵書はますます充実していきました。また、県内の各地に複数の分館も開設されましたが、1970年には全て廃止されています。

地域住民への図書館サービスを拡充するため、1959年には自動車文庫「こまどり号」による巡回サービスが開始されました。その後も車両の更新を重ねながら、長きにわたって県民に愛されるサービスとして続けられました。

2代目図書館：新たな展開

1967年には、岩手公園北東部に新たな図書館が建築されました。建築家・菊竹清訓氏の設計による近代的な建物は、15万冊近い蔵書を収蔵しました。児童室の開設や、婦人学級の開講など、多様なニーズに対応したサービス提供も開始。さらに、古文書や郷土資料のデジタル化にも積極的に取り組み、情報化時代の図書館の先駆けとなりました。しかし、施設の老朽化と狭隘化のため、2005年に閉館しました。

アイーナ時代：現代へと繋がる発展

2006年、現在のアイーナへの移転開館を果たしました。約62万5千冊という膨大な蔵書を誇り、さらに充実したサービスを提供しています。2代目図書館の建物は盛岡市に譲渡され、もりおか歴史文化館として活用されています。

東日本大震災では、アイーナは臨時の避難所となり、多くの被災者に支援を提供しました。また、震災関連資料の収集・公開にも積極的に取り組み、被災地の記録保存にも貢献しています。全国に先駆けて設置された震災関連資料コーナーは、災害の記憶と教訓を未来へと伝える重要な役割を果たしています。

充実したサービスと貴重な蔵書

岩手県立図書館では、館外貸出サービスも提供しています。岩手県内に在住・通勤・通学する小学生以上の方々は利用者カードを発行して利用できます。

郷土資料としては、宮沢賢治や石川啄木に関する資料が豊富に収集されており、これらはデジタル化されてウェブサイト上でも閲覧可能です。また、新聞・雑誌コーナーには、岩手県内はもちろん、全国の新聞や電話帳なども取り揃えられています。

アクセスと開館情報

盛岡駅から徒歩約4分という好立地にあります。駐輪場も完備していますが、専用駐車場はありません。開館時間は9時から20時まで。休館日は月末日（土日の場合は前日）、5月と10月の第4土曜日、年末年始、年度末の蔵書点検期間などです。

岩手県立図書館は、歴史と文化を深く探求したい方、地域の情報収集をしたい方にとって、かけがえのない場所です。

もう一度検索