干菓子

干菓子とは

干菓子（ひがし）、または乾菓子（ひがし）とは、水分が非常に少なく乾燥した和菓子の総称です。一般的に水分含有率は10%以下で、生菓子に対しての保存性が大きな特徴となっています。生菓子はフレッシュな状態で楽しむものですが、干菓子はその特性により長期間の保存が可能です。このため、季節を問わず、また特別な行事でも広く重宝されています。

干菓子の概要

干菓子には、落雁（らくがん）、雲平（うんぺい）、有平糖（あるへいとう）、煎餅（せんべい）、八ツ橋（やつはし）など、さまざまな種類が存在します。これらは水分が少ないことから、一般的には長持ちすると評判ですが、実は水分含有率が20%以下の菓子も含まれる場合もあります。主に、粉状の材料を成型して作る和菓子や打物菓子が多く、特に落雁や和三盆はその代表格です。

干菓子は、茶の湯や冠婚葬祭のような特別な場面で用いる供物としても発展してきました。これらの菓子は、視覚的にも美しく、さまざまな技巧をこらされた作品であり、食べる楽しさだけでなく、鑑賞する楽しさも兼ね備えています。普段からは喜ばれる口寂しい時のおやつとしても人気があります。

干菓子の主な種類

干菓子はその製法の違いによって、いくつかのカテゴリーに大別されます。以下では代表的な種類を紹介します。

1. 有平糖（あるへいとう）
金華糖や金平糖など、さまざまなバリエーションがあります。この糖は、形状が可愛らしく、見た目も楽しませる要素が満載です。

2. 雲平（うんぺい）
砂糖とみじん粉を少量の湯でまとめたもの。時にはやまいもが加えられ、ほんのりとした甘さが楽しめます。

3. おこし
蒸した穀類を乾燥し、炒った後にさまざまな食材（ごま、豆、クルミ、落花生、のりなど）を混ぜて作るお菓子です。ほんのり甘みがあり、口の中で広がります。

4. 打ち物（うちもの）
日本独特のスタイルで作られた菓子で、落雁や和三盆がその代表例です。打たれた形状が美しく、特に和三盆は茶菓子として役立つ存在です。

5. 焼き物（やきもの）
焼いて風味を出す干菓子たちで、煎餅や八ツ橋、きんつばなどが含まれます。このカテゴリーは、焼くことによって新たな風味と食感を楽しめるものが多いです。

6. 種物
さまざまな原材料を使用して作られる菓子で、バリエーション豊かです。

最後に

干菓子はその種類や製法が多岐にわたっており、見る楽しさや食べる楽しさをもたらす日本の伝統的なお菓子です。特別な場面での利用はもちろん、日常的なおやつとしても愛されています。和菓子の魅力を存分に堪能できる干菓子は、今後も多くの人に親しまれていくことでしょう。

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