平松礼二

平松礼二の軌跡と業績

人物紹介

平松礼二（ひらまつ れいじ）は、1941年に東京都中野区に生まれ、本名は平松邦夫です。氏は多摩美術大学の教授を務め、後に了徳寺大学の学長も歴任した日本画家です。彼の作品は、岩彩、箔、墨、コラージュなどさまざまな技法を用いており、21世紀の日本画界における重要な存在の一人として広く認知されています。

学歴と初期のキャリア

平松は名古屋市で育ち、愛知県立旭丘高等学校美術科を経て、愛知大学法経学部を卒業しました。学生時代から横山操に影響を受け、1960年には青龍社展に作品を出品し始めました。その後、青龍社が解散すると、創画会を経て独立し、自由に作品を発表していく環境を整えました。

代表作と展覧会

彼のライフワークとなる「路」シリーズが始まったのは30代後半のことで、また同時期に日本画の新たな可能性を探る研究グループ「横の会」の創立にも参加しました。40代には、名門美術賞である山種美術館賞展で大賞を受賞し、その名が広がっていきます。
1994年からは多摩美術大学の教授として後進の指導にあたり、1999年には彼の作品展「印象派・ジャポニズムへの旅」が国内外で大きな注目を集めました。この成功を受けて、2000年から2010年にかけて「文藝春秋」の表紙画も担当し、さらに彼のアートは多くの人々の目を引きました。

学術的貢献と国際的な評価

2006年には大学教授を退任し、了徳寺大学の学長に就任しましたが、翌年にはその職を退くことになります。彼の国際的な活動も目覚ましく、フランスのジヴェルニー印象派美術館やベルリン国立アジア美術館での展覧会も開催され、海外でも高い評価を受けています。2016年には順天堂大学国際教養学部の客員教授に就任し、2017年には母校の愛知大学から名誉博士号を授与されるという快挙を成し遂げました。

賞歴と社会的活動

平松礼二は数多くの賞を受賞し、1979年の中日大賞展では大賞を受賞、1989年には山種美術館賞展での大賞、さらに2000年にはMOA美術館岡田茂吉賞の大賞を獲得しています。2021年にはフランス政府から芸術文化勲章シュヴァリエを授与され、国際交流の促進にも寄与しました。

友人や影響

映画監督の小栗康平とは友人関係にあり、1996年公開の映画『眠る男』では絵画担当として参加しました。また、1998年には群馬県中之条町に「吾妻美学校」を設立し、地域への貢献を果たしました。彼の影響を受けた多くのアーティストが次世代へと日本画の魅力を広げています。

結論

平松礼二は、その優れた技術と独自の視点を通じて、日本画の新たな境地を切り開いてきたアーティストです。国内外での幅広い活動と、その影響力は今なお多くの人々に尊敬されています。

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