平沼孝啓

平沼孝啓（ひらぬま こうき、Kohki Hiranuma、1971年8月21日 - ）は、日本の建築家であり、Kohki Hiranuma Architect & Associates.,khaaを主宰しています。また、建築家の藤本壮介らと共にNPO/AAFを主宰し、建築を通して社会に貢献する活動も行っています。

略歴

1971年、大阪府に生まれた平沼は、大阪工業大学建築学科を卒業後、ロンドンのAAスクール（Architectural Association School of Architecture）で建築デザインを学びました（中退）。1999年には、Hs WorkSHop-ASIA（建築デザイン研究所 / ヒーズワークショップ-アジア）を設立し、独自の建築観を追求し始めます。その後、2009年には平沼孝啓建築研究所を設立し、より幅広いプロジェクトを手掛けるようになりました。

主な作品

平沼の代表作の一つである「時間の家」は、20代で発表された処女作ながら、日本建築士会連合会賞を受賞するなど、その才能を早期から示しました。この作品は、時間経過とともに変化する空間を捉え、その概念を建築に応用した点が評価されました。また、飲食店舗の模様替えを5年かけて解体していくという、逆転の発想によるリノベーション・プロジェクト「SOYA」では、JCD準大賞を受賞しました。これは、既存の建物をただ修復するのではなく、時間という要素を取り込み、新たな価値を生み出す試みとして注目されました。

その他にも、アートディレクターのナガオカケンメイが主宰するロングライフ・デザイン・リサイクルストア「D&DEPARTMENT PROJECT」のコンバージョン作品や、東京大学（駒場キャンパス）に設計された間伐材による環境型木造建築「東京大学くうかん実験棟」など、既存の建築概念にとらわれない、環境に配慮した建築作品も多く手掛けています。

主な受賞歴

平沼は、国内外で数多くの賞を受賞しています。日本建築学会作品選奨（2009年）をはじめ、グランド・デザイン賞（2004年・英）、ジャーマン・アワード特別賞（2014年・独）、イノベイティブ・アーキテクチュア国際建築賞（2005年・伊）、ウッド・アーキテクチャー・アワード（2015年・北米）など、その受賞歴は10か国70を超えます。これらの受賞は、平沼の建築作品が、国際的にも高く評価されていることを示しています。また、近年では建築史・評論家の五十嵐太郎らと日本建築学会教育賞を受賞し、教育分野でもその才能を発揮しています。

主な展覧会

平沼の作品は、国内外の美術館や大学で展示されています。主な展覧会としては、2007年にサムソンミュージアム（韓国・ソウル）、2008年にキングモックット大学（タイ・バンコク）、2009年に国立国際美術館（日本・大阪）、2014年にはヴェネチア・ビエンナーレ国際建築展（イタリア・ヴェネチア）などがあり、その作品は多くの人々に鑑賞されています。これらの展覧会を通じて、平沼の建築思想や作品は、より広く社会に共有されています。

出演

平沼は、YouTubeチャンネル「unknown architecture Report of KOHKI HIRANUMA」で、自身の建築作品や思想について語っています。特に、国立国際美術館展の映像は、彼の建築への情熱や創造性を垣間見ることができる貴重な資料です。映像を通じて、平沼の建築に対する考え方や、その作品の背景にあるストーリーを深く理解することができます。

まとめ

平沼孝啓は、既存の建築概念にとらわれず、常に新たな可能性を追求する建築家です。時間という概念を取り入れたり、リノベーションを通じて新たな価値を生み出したり、環境に配慮した建築を手掛けるなど、その活動は多岐にわたります。彼の作品は、国内外で高く評価されており、建築の未来を切り拓く存在として、今後も注目されていくでしょう。

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