広島大学総合博物館

広島大学総合博物館の概要

広島大学総合博物館は、広島県東広島市の広島大学キャンパス内に位置する博物館で、2006年4月に設立されました。設立の背景には、広島大学が研究活動や地域貢献を促進するための中期計画があり、その一環として博物館の開館が決定されました。博物館の設立準備は2005年に始まり、全学的な協力を得て進められました。

目的と機能

この博物館の主な目的は、広島大学が所蔵する学術標本や資料を調査し、収集し、保存し、そして管理することにあります。この活動を通じて、研究や展示を実施し、大学の教育や地域社会への貢献に寄与することが求められています。博物館には約126万点の資料が収蔵されており、その中には貴重な化石資料を始めとした多様な展示が含まれています。

組織体制

博物館は、博物館長をはじめとしたさまざまな専門スタッフによって運営されています。現館長は中坪孝之教授、副館長には淺野敏久教授が併任しています。他にも、展示情報研究企画部門と埋蔵文化財調査部門から成る二部門制が採用されています。また、運営委員や研究員、契約職員など、学内外からさまざまな専門家が関わり、活動を支えています。

利用案内

博物館は、火曜日から土曜日の10時から17時まで開館しており、日曜日と月曜日は休館です。入館は無料で、学生や一般の人たちを対象にした利用が可能です。訪問者は、広島大学の教育学研究科の周辺にある展示室を訪れ、学術資料を閲覧することができます。

本館の展示

博物館本館の展示は大きく分けて4つのパートから成り立っています。まずは、「広島大学の過去・現在・未来」に焦点を当てた展示があり、大学の沿革や学術活動を紹介しています。

次に「宇宙・地球」のセクションでは、貴重な化石などが展示され、その中には大陸移動説の証拠となるメソザウルスや、アパトザウルスの大腿骨なども含まれています。

さらに、「里海へのいざない」として、瀬戸内海の生態系に関する展示があり、地域の動植物を紹介しています。最後に「里山へのいざない」では、希少な植物や動物、昆虫の展示が行われており、多様な生態系への理解を深めるための情報が提供されています。

また、来館者は 『N'sスクエア』で憩いの時間を過ごしながら、大学に関する資料や専門書を手に取ることも可能です。

キャンパスまるごと博物館構想

広島大学総合博物館は、「キャンパスまるごと博物館」という構想を持ち、大学内のさまざまな遺跡や自然環境を展示物として見せる取り組みを進めています。この構想の一環として、博物館本館とサテライト館をつなぐ「発見の小径」という自然散策道が整備されています。この小径は、キャンパス内の昆虫や絶滅危惧種を観察できる場所にもなっています。

企画展やイベント

年間を通じて博物館では定期的に公開講演会が開催され、またさまざまな企画展も行われており、地域の歴史や文化に関するテーマが取り上げられています。これらのイベントは、広島大学の研究や地域への貢献を広く伝える場として機能しています。

博物館を訪れることは、広島大学の学問的な活動の一端を知るだけでなく、地域の文化や自然環境についても学ぶ貴重な体験です。ぜひ、多くの人に足を運んでもらいたい場所です。

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