御幸毛織

御幸毛織株式会社について

御幸毛織株式会社（Miyuki Keori Co., Ltd.）は、愛知県名古屋市西区市場木町に本社を構える服地メーカーです。東洋紡の完全子会社として知られ、一般には「ミユキ」と呼ばれています。

会社の歴史

御幸毛織の起源は、1905年にさかのぼります。当時の創業者である祖父江利一郎が名古屋市中区に布工場を、名古屋市西区に染物工場をそれぞれ設立しました。その後、1910年に「合資会社御幸毛織工場」を設立し、1918年には株式会社へと移行し、「御幸毛織株式会社」と改名しました。これが企業としての正式なスタートです。

1953年、御幸毛織は「ミユキテックス」と呼ばれる高級服地素材を、本格的に市場に投入しました。そして1958年には「ファンシィテックス」を発売し、両者は御幸を代表する商品となります。同じく1957年には、日本テレビの冠スポンサー番組「ミユキ野球教室」が放送され、1990年まで続く人気プログラムへと発展しました。

特に、1965年に制作されたCMソング「ミユキの歌」は、広く認知されることとなり、再放送にも親しまれました。また、ニュージーランドで撮影されたCM映像がイメージを確立し、企業の認知度を大いに高めました。

1980年にはオーストラリアに「御幸オーストラリア牧場」を開設し、自社での羊毛育成から商品化までを統括する体制を整えました。この取り組みにより、高級感のある商品をより手頃な価格で提供できるようになりました。

近年の展開

近年の御幸毛織は、電子部品や不動産事業など、新たな分野にも参入しています。かつて本社と工場があった場所は、現在ショッピングモール「ミユキモール」として再整備され、その中には羊をモチーフにしたモニュメントがあります。この羊のモニュメントは、2016年に四日市工場に移設されました。

2003年には、持株会社制への移行に伴い商号を「御幸ホールディングス株式会社」に改称し、様々な関連企業を設立しました。2009年には、東洋紡と株式交換を行い、完全子会社となりました。これにより2009年に上場を廃止し、持株会社体制を維持していましたが、2013年には再び統合され、御幸毛織株式会社としての名に戻りました。

さらに、2017年には子会社のミユキ販売株式会社を吸収合併し、2018年には東洋紡テクノウール株式会社も吸収合併しました。

事業所と関連情報

御幸毛織には、名古屋の本社をはじめ、東京、札幌、仙台、大阪に事務所を持っています。特に名古屋のミユキビルは、社員の活動の場として重要な役割を果たしています。また、四日市においては工場と商品センターがあります。

御幸毛織は、数多くのテレビ番組のスポンサーとしても知られており、「ミユキ野球教室」やその他のスポーツ番組など、多方面での活動に貢献しています。企業の歴史や取り組みは、その製品の品質を支える重要な基盤となっています。

まとめ

御幸毛織株式会社は、長い歴史を持ちながらも常に変化と成長を続けており、多様な事業展開で新たなニーズに応えています。これからのさらなる可能性に期待が寄せられています。

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