御文

御文（おふみ）とは

御文とは、浄土真宗中興の祖である蓮如上人が、その教えを広めるために、全国の門徒に向けて書かれた仮名書きの法語です。手紙のような形式で、仏教の教えや信仰のあり方などが平易な言葉で説かれています。

宗派によって呼び方が異なり、本願寺派では「御文章（ごぶんしょう）」、大谷派では「御文」、興正派では「御勧章（ごかんしょう）」と呼ばれています。本願寺が東西に分裂する以前は、一律に「御文」と呼ばれていました。

五帖御文

蓮如上人の孫である圓如上人が、数多くの御文の中から80通を選び、五帖にまとめたものが『五帖御文（ごじょう おふみ）』です。この五帖御文は、御文の中でも特に重要なものとされています。

各帖の内容は以下の通りです。

一帖目から四帖目: 日付のある御文が年代順に並べられています。
五帖目: 日付が不明な御文がまとめられています。

四帖目の最後にある第15通「大坂建立」は、蓮如上人の真筆による最後の御文とされ、遺言とも言われています。

その他の御文

五帖御文の他にも、以下の御文があります。

夏御文（げのおふみ）: 夏の時期に書かれた御文。
御俗姓御文（ごぞくしょうおふみ）: 俗名を持つ人々に宛てて書かれた御文。
帖外御文（じょうがい おふみ）: 五帖御文から漏れた御文（夏御文、御俗姓御文を除く）の総称です。

関連項目

白骨の御文（白骨の御文章）
勤行 (真宗大谷派))
領解文
下間蓮崇

外部リンク

国訳大蔵経 : 昭和新纂. 宗典部 第4巻「御文」
* 蓮如上人御文章 - ウィキソース

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