徳川美術館

徳川美術館について

徳川美術館（とくがわびじゅつかん）は、愛知県名古屋市の東区に位置し、徳川園に隣接する公益財団法人徳川黎明会が運営する私立美術館です。1935年に開館し、以降約90年にわたり、訪れる人々に尾張徳川家の貴重な歴史や文化を紹介しています。この美術館の収蔵品には、徳川家康の遺品を含む大名道具や、他の名家から購入した品々が含まれています。国宝や重要文化財に指定された作品も多くあり、特に「源氏物語絵巻」はその代表的なコレクションです。

沿革

徳川美術館の設立は、尾張徳川家の伝来品の保存と公開を目指したもので、1910年代から1915年にかけて行われた什宝の展覧会がきっかけとなりました。特に名古屋で行われた展覧会は好評を博し、当時の当主であった義親は、これらの貴重な品を美術館として則保存したいと考えるようになりました。1920年代には、美術館設立の具体的な計画が進められ、1935年には公式に「徳川美術館」が開館を迎えました。

美術館の設立当初から、収蔵品の選定や管理に力を入れ、さまざまな展覧会が企画されています。特に近年は、特別展や企画展を通じて国宝や重要文化財の貴重な作品が一般公開されています。

美術館の建物

美術館の本館及び収蔵庫は、1935年に完成し、帝冠様式のデザインが施されています。この独特な建築様式は、和風の屋根や外観を持つ洋式建築として評価され、1997年には国の登録有形文化財に登録されるに至りました。美術館内には、名古屋城二の丸御殿を復元した展示室があり、実際の生活空間を再現することで、収蔵品の使用例が理解しやすく工夫されています。

所蔵品

徳川美術館の収蔵品は多岐にわたります。国宝として指定された「源氏物語絵巻」や「初音の調度」、重要文化財や美術品も多数あります。特に、千代姫が用いた婚礼調度は、美術館の誇る名品の一つであり、室町時代から続く蒔絵技術が駆使されて制作されています。また、各大名家からの寄贈品や、名古屋の豪商からの購入品なども収蔵されています。2023年現在、国宝9件、重要文化財59件、合計1万3千点の収蔵品があります。

展覧会とイベント

徳川美術館では年間約10回程度の特別展や企画展が行われており、国宝や重要文化財の展示が行われます。これらの展覧会では、普段一般公開されない貴重な資料を見学する貴重な機会が提供されており、訪れた人々に深い感動や学びを与えています。

アクセス

名古屋市内からのアクセスは良好で、JR中央本線や名鉄瀬戸線、大曽根駅から徒歩でも行ける距離にあります。また名古屋市営バスの利用も便利で、栄行きや茶屋ヶ坂行きのバスで「徳川園北」停留所下車後、徒歩5分の場所に位置しています。

結論

徳川美術館は、愛知県名古屋市に位置し、尾張徳川家の貴重な文化財や美術品を通じて深い歴史的背景を体感できる場です。多様な展示品と共に、訪れる人々は日本の美術や歴史に触れ、新たな発見が得られることでしょう。

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