心はロンリー気持ちは「…」

『心はロンリー気持ちは「…」』

明石家さんま主演のフジテレビの単発ドラマ『心はロンリー気持ちは「…」』は、1980年代から放送された異色の作品です。略称は「心ロン（こころん）」で、表向きは恋愛をテーマにしたドラマですが、実情はストーリーと無関係なギャグが大量に盛り込まれています。このユニークなスタイルは、視聴者にとって一つの楽しみであり、シリーズの本質を形作っています。

概要と特徴

このドラマは、エキストラや背景、セットを駆使して多様なボケを取り入れることで知られています。ストーリーと関係のないギャグが非常に多く、そのユーモアに目を向けることが視聴のポイントであるとも言えます。特に、過去の放送を振り返るトークでは、多くの視聴者がそのボケに初めて気付くことがあるようで、その難解さが話題になることもありました。

村上ショージやラサール石井、関根勤など、さんまにゆかりのある芸人たちが脇役として登場しており、その演技でも楽しませてくれます。1980年代に計9回放送され、『オレたちひょうきん族』の制作チームが手がけたため、当時のコメディの要素が色濃く反映されています。視聴率が一定の水準を下回ると打ち切るという取り決めがあったため、1989年に一旦制作が終了しますが、21世紀には2003年と2024年に復活しました。

ギャグの数々

ドラマの中では、さまざまなギャグが繰り広げられます。たとえば、BGMの歌詞がすべて設定の説明となっている「ト書き歌」や、視聴者への指示を出すテロップ、実際に動くぬいぐるみと動物の剥製など、目を引く演出がたくさんあります。視聴者が「音量を上げてください」と指示を受けると、次の瞬間に「助けて〜」という声が聞こえるなど、視覚だけでなく聴覚でも楽しませる工夫が凝らされています。毎回変わる「…」の部分も、視聴者にとって興味深い要素の一つです。

このようなギャグスタイルは、一部の視聴者には受け入れられていましたが、ストーリー重視派には賛否を呼ぶこともありました。しかしながら、さんまや出演者たちの独特のキャラクター、ユーモアで観客を引き付けていました。これに加えて、ドラマの構成上、歌とダンスが必ず1シーンには取り入れられるため、視覚的な魅力も高かったのが注目ポイントです。

時計と歴史

初回放送時にはタイトルが「心はロンリー、気持ちはガンジー」となる予定でしたが、インド首相の暗殺により、放送直前にタイトルが変更されるというハプニングもありました。2022年には新作の計画が明らかにされ、2024年にはシリーズの最終作として復活しました。このドラマは、単なるエンターテインメントにとどまらず、日本のコメディドラマの歴史に残るユニークな作品として、今も多くの人に愛されています。

エピソードと関連性

『心はロンリー気持ちは「…」』の制作メンバーは、後にさまざまなエンターテイメントの分野で活躍・展開され、作品がもたらした影響を顕著に表しています。例えば、子役のオーディションに参加していた後藤久美子がその一因であったように、数々のエピソードが番組の裏側では繰り広げられていました。

さらに、ドラマシリーズの途中には多くの有名女優や俳優がゲスト出演し、それぞれの特徴を生かしたキャラクターが登場することでも知られています。

このように、『心はロンリー気持ちは「…」』は恋愛テーマの下に隠されたギャグの数々と、視聴者との密接なやりとりを持つ作品として、それ自体が日本の文化の一部ともなっているのです。

もう一度検索