恵那市中央図書館

恵那市中央図書館について

恵那市中央図書館は、岐阜県恵那市の長島町中野にあり、2007年7月7日に開館しました。この図書館は、株式会社バローの創業者である伊藤喜美氏が理事長を務める伊藤青少年育成奨学会からの寄贈により設立されており、その愛称が「伊藤文庫」として広く知られています。全国的に見ると、民間の財団から寄付された公共図書館は非常に珍しい例と言われています。

開館前の歴史

恵那市中央図書館が開館する前の1984年には、恵那文化センター内に恵那市図書館が設けられました。このセンターは市の文化活動を支える複合施設として機能し、さまざまな文化イベントが行われてきました。恵那市図書館は、1997年に岐阜県内で初めてインターネット上に蔵書目録を公開し、先駆的な図書館業務を展開していました。しかし、2004年の市町村合併に伴い、新しい恵那市のもとでは、図書館の利用環境の改善が求められていました。

恵那市中央図書館の開館

2006年4月には、新たな図書館建設の計画が発表され、同年8月には着工が開始、そして2007年には移転準備を経て新たに開館しました。新しい図書館は、旧館の数倍の広さを持ちながら、約2万3000冊の蔵書も寄贈されるなど、さらなる発展が期待されました。館内には子ども向けのコーナーやゆったりとした閲覧スペースが設けられ、市民のニーズに応える体制が整いました。

児童向け活動への取り組み

恵那市中央図書館の特徴的な点には、子どもたちの読書活動に特化した取り組みがあります。2010年に文部科学大臣より表彰を受け、「子どもの読書活動優秀実践図書館」に認定されたことはその証左です。同館では、マスコットキャラクター「ブンさんとクンたん」が親しまれており、読書イベントや様々なプログラムが開催されています。2019年度末には、蔵書が247,721冊、貸出数は296,365冊に達し、市民一人あたりの貸出数も増加しています。

施設の構造と特徴

恵那市中央図書館は、1階と2階に分かれた造りになっています。1階は一般開架や子ども向けのスペースを含む多様なコーナーがあり、居心地のよい読書テラスも備えています。2階には郷土資料室やセミナールーム、閉架書庫などがあり、地域の情報にも配慮されています。また、敷地内には静態保存された国鉄C12形蒸気機関車があり、来館者にとっての観光スポットともなっています。

利用方法とアクセス

図書館は、毎週月曜日が休館日であり、その他の祝日や特定の日も閉館となります。開館時間は平日が午後8時まで、土日祝日は午後6時までとなっており、気軽に利用できる環境が整えられています。アクセス面では、JR中央本線や明知鉄道の恵那駅から徒歩で10分ほどの距離に位置しており、訪れやすい場所にあります。また、無線LANを提供するフリースポットとしても、利用者に便利さを提供しています。

恵那市中央図書館は、市民にとっての知識の宝庫であり、特に子どもたちに対する情熱は多くの人に愛されています。これからも地域の文化発信拠点として、その役割を果たしていくことでしょう。

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