押切橋

押切橋について

押切橋（おしきりばし）は、埼玉県熊谷市の大麻生地区と押切地区を結んでいる重要な道路橋です。この橋は埼玉県道47号深谷東松山線の一部であり、荒川を跨いでいます。全長は1,339.13メートル、幅員は11.5メートルであり、特に有効幅員は10.50メートルです。歩道は上流側のみに設けられており、車道幅は8.0メートルです。最大支間長は65.5メートルで、16径間からなるPC連続箱桁橋の構造を持っています。橋の右岸側には81メートル、左岸側には274メートルの取り付け高架橋が設けられており、交通の利便性を高めています。これらの特徴により、押切橋は埼玉県内で特に重要な交通路となっています。

橋の歴史

押切橋はその歴史において、幾度も架け直されてきました。地域が大洪水の常襲地帯であったため、過去には流失と架け替えが頻繁に行われました。このような状況から、これまでに3代にわたって木製の橋が使用され、それが耐久性の問題を引き起こしていました。

かつての押切橋は1876年頃までに存在していた渡船によって運営されていましたが、1919年には冠水橋が架設されました。これは地域住民の寄付によるもので、道幅は狭く構造的にも簡単なものでした。そして1933年にも架け替えが行われ、同様に木桁橋が新たに設置されました。

1954年には埼玉県による木桁橋の冠水橋が再び架設され、渡船はこの時点で完全に廃止されました。その後、1959年には再びコンクリート製の冠水橋に架け直され、さらに1970年代には何度か洪水の影響を受けて流失しました。

1991年、押切橋は現行のPC連続箱桁橋として新たに架設され、開通式には多くの地域住民や関係者が参加しました。これにより、江南町と熊谷市を結ぶ重要な役割を果たし続けています。

周辺環境

押切橋の周辺には豊富な自然が広がっています。河川敷は左岸側に広大な公園やゴルフ場が整備されており、環境省による「残したい日本の音風景100選」にも選ばれています。特に秋には、地域の虫の音鑑賞会が催され、訪れる人々に自然とのふれあいの場を提供しています。また、古墳などの歴史的遺跡も点在しており、地域の文化歴史を感じることができます。

地域の公共交通機関としては、熊谷市のコミュニティバス「ほたる号」が運行されており、近隣の籠原駅南口や熊谷駅南口へのアクセスが可能です。

全体として、押切橋はただの交通の要所であるだけでなく、地域の歴史や環境と深く結びついた重要な存在です。これからもその役割を果たし続けることでしょう。

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