改造マリオ

改造マリオとは

改造マリオとは、『スーパーマリオブラザーズ』や『スーパーマリオワールド』などのスーパーマリオシリーズの作品を、ゲームエミュレータを用いて非公式に改造したアクションゲームの総称です。これらの改造は、バイナリエディタを用いて行われ、コースの構造や敵の配置などを大幅に変更することができます。

ニコニコ動画での人気と著作権問題

改造マリオは、2006年12月にサービスを開始したニコニコ動画で初期から人気のジャンルとなりました。特に、プレイヤーが操作しなくてもクリアできる「全自動マリオ」は、そのユニークな発想と驚くべき仕掛けで多くの視聴者を楽しませました。
しかし、著作権侵害を理由に、2008年には多数の動画が削除される事態も発生しました。

「友人マリオ」と海外での人気

2007年6月9日に投稿された動画『自作の改造マリオ（スーパーマリオワールド）を友人にプレイさせる』は、鬼畜なステージ設計と友人の驚異的なプレイ技術が組み合わさり、大きな注目を集めました。このシリーズは「友人マリオ」と呼ばれ、海外では「Asshole Mario」として知られています。また、YouTubeに投稿された「超難度に改造されたマリオのプレイ映像集」は、8年間で2900万回もの再生回数を記録し、スーパーマリオシリーズの映像として最も多く再生されたものの一つとなっています。

スーパーマリオメーカーの登場と文化の再興

SF・文芸評論家の藤田直哉氏は、2015年発売のWii U用ソフト『スーパーマリオメーカー』について、非合法に流行していた改造マリオを公式に作れるようにしたゲームであると評価しました。このゲームの登場により、かつて問題視されながらも人気を博した改造マリオ文化、特に全自動マリオが再び注目を集めるようになりました。『エンタミクス』2016年4月号では、全自動マリオが「今旬ワード」の一つに選ばれています。

AIによるコース生成

2023年には、コペンハーゲンIT大学の研究チームが、AIによるスーパーマリオブラザーズのコース生成を試みるプロジェクト「MarioGPT」を発表しました。このプロジェクトでは、AIが約8割がたクリア可能なコースを生成できるとされています。

改造マリオは、非公式な活動から始まりましたが、そのユニークな発想と高いエンターテイメント性から、多くの人々を魅了し続けています。スーパーマリオメーカーの登場やAIによるコース生成など、その文化は新たな展開を見せており、今後もその動向が注目されます。

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