文芸美術国民健康保険組合

文芸美術国民健康保険組合について

文芸美術国民健康保険組合（ぶんげいびじゅつこくみんけんこうほけんくみあい）、通称「文英国保」は、文芸や美術、映画、写真などのクリエイティブな職業に携わる人々を対象とした国民健康保険組合です。この組合は、日本の文化や芸術に貢献する人々が、健康保険の制度を利用できるように設立されました。一般社団法人全国国民健康保険組合協会にも加入しており、信頼できる組織としての地位を確立しています。

組合の設立経緯

1952年、丹羽文雄を中心とした日本文芸家協会の相互扶助委員会が発起人となり、芸術分野の特別な国民健康保険組合の設立を目指しました。ところが、当初の計画は規模が不十分であり、4つの団体（日本美術家連盟、日本著作家組合、全日本工芸美術家協会、出版美術家連盟）を招集して共同での設立に至りました。結果的に、1953年4月1日には厚生省の認可を受け、正式に設立されました。これにより、組合員は法律に基づく健康保険の給付を受ける権利を得ることができました。

初代理事について

組合の初代理事には、丹羽文雄（日本文芸家協会理事長）や伊原宇三郎（日本美術家連盟常務理事）など、各団体からの代表者が名を連ねました。以降、この組織は着実に加盟団体を増やし、写真やデザイン、生け花など、さまざまな芸術分野を網羅するようになりました。

被保険者について

文芸美術国民健康保険組合に加入できるのは、加盟する専門団体に所属する会員であり、国内のどこに居住する者でも入会が可能です。毎月の保険料は均等に設定されており、組合員の収入には依存しません。ただし、アーティストが法人事業所の事業主や従業員であれば、全国健康保険協会などの被用者保険に強制的に加入し、この組合には参加できない点に留意する必要があります。

組合の事業内容

文芸美術国民健康保険組合は、加入者に対して多様なサービスを提供しています。具体的には、国民健康保険法に基づく法定給付に加え、出産や死亡に関連する任意の給付サービスも提供しています。また、組合員とその家族の健康維持や疾病予防を目的とした保健事業も積極的に行っています。

加入団体とその拡大

設立当初は5つの団体から始まった文芸美術国民健康保険組合ですが、その後も加入団体は増大し続けています。芸術家だけでなく、ジャーナリスト団体である日本モータースポーツ記者会も参加しています。2014年2月19日には、主にインターネットで活動するアマチュア創作者の団体である日本ネットクリエイター協会が加入し、2021年には若手音楽クリエーターの団体である日本音楽作家協会も参加するなど、新しい業態にも門戸を開いています。

結論

文芸美術国民健康保険組合は、文化や芸術に従事する人々が安心して活動できる環境を整えるための重要な組織です。多様な芸術分野のクリエイターたちの健康を支え、さらなる創作活動の促進に寄与しています。今後も、より多くの団体や個人がこの組合に参加し、持続可能な文化活動が支援されることが期待されます。

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