新田瞬

『キャプテン翼』の世界に登場する、大空翼の一学年後輩にあたる架空のサッカー選手、それが新田瞬です。主にフォワード（FW）としてピッチを駆け巡り、そのスピードと得点力でチームを牽引します。トレードマークの八重歯とO型の血液型を持ちます。

人物とプレースタイル

新田は、小学生時代に自身が所属する南葛SCを率いて全国大会を制し、翌年に同じ偉業を成し遂げた翼に対し、常に強いライバル意識を燃やしています。初登場時は、「翼と同等の素質を持つ」と評される実力を背景に、日向小次郎をはじめとする格上の選手たちに対しても臆することなく、挑戦的で不遜な態度をとることがありました。しかし、チームの一員として、特に中学・高校時代にはその実力が認められ、信頼されるストライカーへと成長していきます。彼の最大の武器は、中学2年次で50メートルを6秒フラットで駆け抜ける圧倒的な俊足です。このスピードと天性のバネを活かした攻撃は、当時のチームメイトからも絶大な信頼を得ていました。特に南葛高校の先輩である浦辺反次のことは、強い相手に決して屈しないその姿勢に惚れ込み、「心のキャプテン」として深く尊敬しています。

輝かしい経歴

新田は、地元の南葛SCでサッカー選手としてのキャリアをスタートさせ、全日本少年サッカー大会で優勝を果たします。その後、静岡県の大友中学校、県立南葛高校へと進み、各年代で中心選手として活躍。全国中学校サッカー大会や全国高校サッカー選手権大会、インターハイなどで輝かしい成績を残しました。国際舞台では、ジュニアユースやワールドユースといった世代別日本代表に選出され、特にワールドユースでは弱点だった左足の強化に励み、両足での「隼シュート」習得という成長を見せ、本大会でのゴールも記録しています。プロとしてはJリーグの柏レイソルに入団し、チームメイトである若島津健から若堂流空手の蹴り技を習得。その技術を自身のプレイに取り入れ、さらなる進化を遂げました。国際舞台であるゴールデン-23でも、ストライカーとして確かな成長を示し、デンマーク戦で2ゴールを挙げるなどの活躍を見せています。その後、ドイツのボルシア・ドルトムントへの移籍も経験しており、マドリッドオリンピックにも出場するなど、日本を代表するストライカーの一人としてキャリアを重ねています。

主な戦績としては、小学6年時の全国優勝を皮切りに、中学3年時の全国中学校サッカー大会優勝、高校2年時のインターハイ優勝、そして高校3年時のワールドユース大会優勝などが挙げられます。

必殺の得意技

新田のプレイスタイルを象徴するのが、数々の必殺技です。

隼シュート: 彼の天性のバネとスピードが生み出す強烈なシュート。特殊な回転はかかりませんが、そのスピードは相手GKが反応する間を与えません。『キャプテン翼』作中において、必殺シュートとして初めて名称が与えられた歴史的な技です。ワールドユース編では、左足でも放てるようになりました。
ノートラップランニングボレー隼シュート: 中学生時代の南葛中との試合で編み出されたシュート。翼の厳しいマークから、持ち前の走力で一瞬ノーマークになる隙を作り出し、味方からのパスをノートラップで走りながらボレーシュートとして放ちます。
若堂流竜巻蹴り: 空中で体を回転させながら放つボレーシュートで、若島津から学んだ若堂流空手の技術を取り入れた技です。
若堂流隼蹴り: 若堂流空手の奥義の一つとされるシュート。若島津さえも完全にマスターできていないとされるこの技は、滝を突き破るほどの絶大な威力を秘めています。
隼タックル: 俊足を生かした高速のタックル。相手からボールを奪取する際にそのスピードが活かされます。
強引なドリブル: フェイントに頼らず、持ち前のスピードで一直線に相手を抜き去る力強いドリブル。

テクモ版での特別な活躍

テクモ株式会社が開発・発売したゲームシリーズでは、原作とは異なる新田の物語が描かれることもあります。『キャプテン翼V』では、彼の成長が特に大きくフィーチャーされました。ロベルト本郷の師であるジョアン監督の指導を受けた新田は、驚異的な成長を遂げ、翼が抜けたサンパウロFCをリーグ優勝に導き、得点王に輝くほどの選手となります。ワールドトーナメントでは、「翼さんと俺と、どっちが上か試してみたい」という理由から、伝説のチーム「カンピオーネ」に加入し、日本代表の最大の敵として立ちはだかります。ゲーム内では一部の解説者から「翼を超えた」と評されるなど、原作以上に重要なポジションと強敵としての存在感を放ちました。テクモ版独自の技として、「ファルコンクロウ」「ファルコンダイブ」「芸術的なドリブル」「シャドウストライク」「ラ・オルケスタ」などが登場します。

その他のメディア展開

様々なゲームシリーズに登場する新田は、作品ごとに独自の技を披露することもあります。コナミ版の「スピードスター」や、バンダイ版のNintendo Switch/PS4版に登場する「低空隼ドリブル」「隼ドリブル」などがそれにあたります。

また、テレビアニメーション作品でも新田瞬の声は多くの声優によって演じられてきました。テレビアニメ第1作での三ツ矢雄二氏をはじめ、中原茂氏、金丸淳一氏、結城比呂氏、佐藤浩之氏、時田光氏、そして近年では上村祐翔氏がその声を担当しています。

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