新造

新造（しんぞう）

新造という言葉は、大きく分けて3つの意味で使用されます。文脈によって指すものが異なるため、注意が必要です。

1. 遊女の見習いとしての新造

この意味での新造は、遊郭において、まだ客を取る前の見習い段階の遊女を指します。特に「振袖新造」を指すことが多いですが、「留袖新造」「太鼓新造」「番頭新造」といった種類も存在します。

• - 年齢: 概ね16歳から17歳くらいまでの若い女性が該当します。
• - 役割: 姉さん女郎（先輩の遊女）の付き人として、身の回りの世話をするのが主な仕事です。また、姉さん女郎に複数の客が来ている場合、待たされる客の話し相手も務めます。
• - 将来: 美人で器量も良い新造は、将来有望とされ、「引込新造」としてさらに上を目指す道が開かれます。引込新造は、より位の高い遊女になるための準備段階です。

2. 既婚女性としての新造

この意味での新造は、武家や富裕な町家の妻女を指します。この言葉の由来は、新造船に乗って嫁入りすることから来ています。

• - 歴史的背景: 戦国時代には、武家の妻や、妻の代わりに家の奥を取り仕切る女性を指して用いられました。江戸時代には、特に武家の若い既婚女性を指す言葉として定着しました。
• - 明治時代以降: 明治時代以降は、良家の若い女性全般を指す言葉として用いられるようになりました。また、「御新造さん」という敬称で呼ばれることもあります。

3. 新しく製造されたものとしての新造

この意味での新造は、最近製造された船舶、航空機、車両などを総称して「新造機」と表現する場合に用いられます。

• - 例: 新造船、新造飛行機、新造車両など。

このように、新造という言葉は、その文脈によって意味が大きく異なります。どの意味で使われているかを正確に理解することで、言葉の誤解を防ぐことができます。

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