日本原燃

日本原燃株式会社

日本原燃株式会社（にほんげんねん、Japan Nuclear Fuel Limited）は、核燃料サイクルの商業利用を目的として設立された日本の企業で、通称は原燃です。非上場企業でありながら、東京電力出身の役員が多いことが特徴です。1970年代にウラン濃縮と使用済み燃料の再処理を基にした事業を開始した結果、1980年には日本原燃サービス株式会社として設立されました。

概要

本社は青森市から青森県上北郡六ヶ所村に移転し、ここが企業の重要な拠点となっています。日本原燃は、資本金が4000億円に達し、青森県内で最大の企業として位置付けられています。また、2024年度末の総資産は約3.4兆円に達する見込みです。代表取締役社長には増田尚宏氏が就任しており、多くの業界の専門家からなる取締役陣が存在します。従業員数は2024年度末には3100人を超える見込みです。

事業内容

日本原燃の主な事業としては、以下の4つが挙げられます。

1. ウラン濃縮事業：電力会社より委託を受け、濃縮ウランを製造しています。得られた製品は再転換工場へ出荷され、現在、二つの遠心分離式濃縮ラインが稼働しています。

2. 廃棄物埋設事業：全国の原発から出る低レベル放射性廃棄物の処理を行う事業です。埋設センターには大規模なコンクリート製プールがあり、地元環境への配慮がなされています。

3. 廃棄物管理事業：高レベル放射性廃棄物のガラス固化体を中間貯蔵する事業で、使用済み核燃料を再処理した後に生じる固化体を保管しています。この固化体は、数十年後に地層処分する計画がされていますが、最終処分場の具体的な場所は未定です。

4. 再処理事業：使用済み核燃料をウランとプルトニウム、及び高レベル放射性廃棄物に分ける事業を行っています。フランスやイギリスのテクノロジーを導入し、800トン処理の能力を有しています。

さらには、MOX燃料製造事業や輸送事業など多岐にわたる活動を展開しています。これには、転換ウランや濃縮ウラン、使用済み燃料の輸送計画の立案も含まれています。全輸送業務は原燃輸送株式会社に委託されています。

施設

日本原燃は、いくつかの重要な施設を持っています。全施設が六ヶ所村およびその近隣に立地しており、ウラン濃縮工場や高レベル放射性廃棄物貯蔵管理センターなどが存在します。再処理工場も建設中ですが、当初の建設スケジュールは何度も延期されています。

経営者と歴史

これまでの歴代社長には、野澤清志から現在の増田尚宏までが名を連ねており、それぞれの時代で会社を牽引してきました。

不祥事

過去には、安全管理に関する問題が表面化したことや、作業員の事故が発生した際には全工事を中止し、組織内での信頼の回復に努めています。

結論

日本原燃株式会社は、日本における核燃料サイクルの中心的な存在であり、さまざまな技術やノウハウを活用して、持続可能なエネルギーの提供と社会的責任を果たすために、日々努めています。

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