日本生活協同組合連合会

日本生活協同組合連合会：日本の生協を支える全国組織

日本生活協同組合連合会（略称：日本生協連、日生協）は、日本の各地に存在する数多くの生活協同組合（生協）を一つにまとめる全国組織です。地域生協、職域生協、学校生協、大学生協など、多様な形態の生協が日本生協連に加盟しており、生協全体の事業推進や会員生協へのサポートを担っています。単なる本部と支部の関係ではなく、加盟生協との間では人事交流や事業協力、商品の共同開発などが盛んに行われています。

歴史と規模

日本生協連は1951年に設立され、長い歴史の中で日本の生協運動を牽引してきました。2019年度末時点で、316の会員組合を擁し、年間売上高は3,921億円に達する巨大な組織へと成長しています。

主な事業

日本生協連の事業は大きく分けて3つの柱から成り立っています。

1. 商品供給事業: 日本生協連の最も重要な事業の一つに、プライベートブランド（PB）商品「コープ商品」の開発と供給があります。「CO･OP」のマークでおなじみのコープ商品は、品質と価格のバランスに優れた商品として、多くの消費者から支持されています。この他、通販事業も展開しており、総合カタログ「くらしと生協」などを発行しています。さらに、商品の品質管理、物流、情報システムといった事業基盤の構築・運営も重要な役割を担っています。

2. 全国組織としての活動: 日本生協連は、全国の生協を代表して、国や地方自治体、その他の協同組合団体などとの連絡・調整を行い、生協全体の政策や事業方針を策定する役割も担っています。また、「食」「環境」「福祉」「平和」「消費者問題」といった社会問題への関与を通して、社会貢献にも積極的に取り組んでいます。

3. 会員生協への支援: 日本生協連は、会員生協に対して、組織運営や法令遵守に関する支援を行うとともに、会員生協同士の連絡・調整・交流を促進しています。宅配、店舗、福祉事業など、様々な事業分野における支援や、環境保全・地域社会貢献活動などを含む組合員活動の支援も行っています。

関連団体

日本生協連は、数多くの関連団体・子会社を傘下に収めています。その中には、商品開発・物流を担う企業や、共済事業を専門とする日本コープ共済生活協同組合連合会、医療福祉生協を支援する日本医療福祉生活協同組合連合会、大学生協を統括する全国大学生活協同組合連合会などがあります。

沿革

日本生協連は、創立以来、数々の出来事を経て発展を遂げてきました。代表的な出来事としては、コープ商品の発売、共済事業の開始と移管、環境認証の取得、新電力会社の設立などがあります。近年では、「日本の生協の2030年ビジョン」を策定し、持続可能な社会への貢献を目指した活動を進めています。

加盟組合

日本生協連には、全国各地の様々な生協が加盟しています。地域別に見ていくと、北海道から沖縄まで、多様な生協が日本生協連の活動に参加していることがわかります。これらの生協は、それぞれの地域特性を活かしつつ、日本生協連と連携しながら事業展開を行っています。

課題

日本生協連は、その巨大な規模ゆえ、様々な課題にも直面しています。2012年には、下請け業者に対する不当な減額や支払遅延を理由に、公正取引委員会から下請法違反で勧告を受け、史上最高額となる約39億円の罰金支払いを命じられました。この事件は、日本生協連の企業倫理やコンプライアンス体制に深刻な問題点を浮き彫りにしました。この経験を踏まえ、日本生協連は現在、企業倫理の向上やコンプライアンス体制の強化に努めています。

今後の展望

日本生協連は、これからも会員生協を支援し、日本の生協運動をリードしていく役割を担っていくことになります。少子高齢化や環境問題など、現代社会が抱える様々な課題に対応しながら、消費者のくらしを支え、持続可能な社会の実現に貢献していくことが期待されています。

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