日本看護協会

公益社団法人日本看護協会について

公益社団法人日本看護協会（Japanese Nursing Association、略称JNA）は、看護職の専門家として、保健師、助産師、看護師および准看護師を代表する組織です。2020年度の会員数は約76万人を誇り、看護職の組織率は約50%に達しています。また、47の都道府県にはそれぞれの看護協会が設立されており、協会の活動は全国的に広がっています。さらに、厚生労働大臣からの指定を受けて中央ナースセンターの業務も担っています。

歴史的背景

日本看護協会は、1946年に連合国軍最高司令官総司令部の指導のもと、日本産婆会、日本帝国看護婦協会、日本保健婦会の3つの職能団体が統合される形で、「日本産婆看護婦保健婦協会」として設立されました。その後、1951年に現在の名称に改称されました。1955年には助産婦が日本助産婦会（現在の日本助産師会）を設立し、これにより協会から独立します。そして、2011年4月1日には社団法人から公益社団法人へと移行しました。

主な事業内容

日本看護協会は、看護職の専門技能の研修や、雇用に関する活動、労働条件の改善、訪問看護や在宅看護の推進といった多岐にわたる業務を行っています。また、災害時の救援活動や国際的な協力支援にも注力しています。これらの活動は、看護職の地位向上や活動領域の拡大、広報活動などが目的です。

特に注目すべきは、看護師資格を持ちながらも結婚や出産、育児を理由に離職した人々への再就職支援です。これにより、看護職の中で男女問わず、専門技能の向上を図り、新たな認定看護師や専門看護師の育成にも力を入れています。各職能が異なる活動内容を持つため、協会内には「保健師職能委員会」、「助産師職能委員会」、「看護師職能委員会」の3つの委員会が設けられています。特に、准看護師に関してはその養成教育の早期廃止を、日本政府と日本医師会に要請しています。

日本看護連盟との関係

日本看護協会には、看護職のための政治団体である日本看護連盟が関連しています。看護協会は政策提言活動を中心に行い、看護連盟はその政策を実現するための政治活動を担っています。また、看護連盟は自由民主党の支持団体であり、これまで多くの国会議員を擁立してきました。

看護連盟と日本看護協会は、協会の目指す施策や制度の実現に向けて協力して活動を行っており、共に看護職の環境改善を追求しています。1999年に設立された日本看護連盟は、国会議員の擁立を通じて看護職の代表としての役割を果たし続けています。

日本看護協会ビル

日本看護協会の本部は東京都の表参道に位置しており、ここには「日本看護協会ビル」があります。このビルは2004年に竣工され、地上8階、地下2階という構造です。設計は著名な建築家である黒川紀章によるもので、地域との調和を考慮した設計が特徴です。協会の前身である日本帝国看護婦協会がかつて存在した場所でもあります。

このように、日本看護協会は看護職の質の向上や専門性の強化に力を注ぎ、看護職の地位向上を目指して常に活動を続けています。

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