日本社会福祉士会

日本社会福祉士会の概要

公益社団法人日本社会福祉士会（JACSW）は、社会福祉士を中心に構成される専門的な職能団体です。1993年に設立され、初めは個人会員として活動していましたが、2012年には各都道府県の社会福祉士会を会員とする連合体に移行しました。これにより、社会福祉士は都道府県ごとに組織され、間接的にこの団体に所属する形と変化しました。

組織の特徴

設立当初は社会福祉士個人を会員としていましたが、今回の組織変更により、全ての社会福祉士が各都道府県の会に加入する必要があります。これにより、全国における社会福祉士の総組織率は約20%で、約35,000人の会員を擁しています。各都道府県の社会福祉士会は独立した組織として機能しており、それぞれの地域的ニーズに応じた活動を展開しています。

さらに、JACSWは日本精神保健福祉士協会や日本医療ソーシャルワーカー協会とともに、日本ソーシャルワーカー連盟を結成し、国際的なソーシャルワーカーのネットワークとも連携を図っています。

主要な活動

苦しんでいる人々のための支援を行うことを目的に、社会福祉士の業務の発展を模索しています。団体は、毎年全国大会を開催し、併せて「社会福祉士学会」を実施することによって、専門職の調査や研究をサポートする環境を整えています。また、受託事業としての調査や研究も行い、会員向けの研修プログラムの開発や提供にも積極的に取り組んでいます。

特に成年後見制度に関連する取り組みには力が入っており、都道府県の社会福祉士会が設けた「権利擁護センター」の支援も行っています。さらに、生活困窮者の相談支援業務や地域定着支援センターの運営など、地域福祉の実践においても多様な活動が展開されています。

出版活動

日本社会福祉士会は定期的に機関紙「社会福祉士」を発行しており、各都道府県の社会福祉士会でも地域に根ざした研究誌や広報誌を発刊しています。また、具体的な書籍も編纂しており、業界の知識の普及に努めています。

ロビー活動と批判

政府や地方自治体への要望活動は重要な役割の一つですが、時にはその対応が遅れることもあり、批判の声も挙がっています。2019年には、党派的行動に関する懸念から会員から意見書が提出される事態も発生。また、2021年にも同様の問題が再燃し、特定の政治的側に対する関与の姿勢について議論が巻き起こりました。

認定社会福祉士と独立型社会福祉士

2014年に創設された「認定社会福祉士」制度は、社会福祉士のキャリアアップを支援する新しい枠組みです。これは、専門分野ごとに認定が行われ、取得には特定の条件が設けられています。また、独立して開業する社会福祉士も登録が可能で、これにより個別相談や地域福祉の活動に広く従事することができます。

まとめ

日本社会福祉士会は、これまでの活動を通じて社会福祉士の地位向上や専門性の確立を目指しています。多様な福祉活動を支え、人々の生活の質向上に貢献することこそが、この団体の存在意義です。

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