日本金属

日本金属株式会社

日本金属株式会社（NIPPON KINZOKU CO., LTD.）は、日本の鉄鋼業界における重要なプレーヤーであり、特に特殊鋼の圧延を中心とした事業を展開しています。主にステンレス鋼を始め、高炭素鋼、工具鋼、クロムモリブデン鋼、軸受鋼のような冷間圧延製品を製造している点が特徴です。日本金属は、特に厚さ1mm以下の精密圧延領域に強みを持ち、これを主たる活動としている圧延メーカーです。

事業内容

この会社では、日鉄ステンレスや日新製鋼、日本冶金工業といった大手製鋼メーカーから熱間圧延品や冷間圧延品を仕入れ、これらを主に加工することで製品を生産しています。冷間圧延とは、常温で行われる鋼の加工技術の一つであり、特に精密な鋼帯を必要とする用途に応じた製品を提供しています。さらに、こうした鋼帯は加工され、形鋼や鋼管、さらにはマグネシウム合金の製造にも利用されています。

会社の位置と拠点

本社は東京都港区に設置されており、登記上の本店所在地は東京都板橋区に位置しています。この東京都板橋区にある本店は、主要な製造拠点の一つでもあります。他の生産工場には、岐阜県可児市にある岐阜工場や福島県白河市にある福島工場があり、それぞれ特殊なニーズに応じた製造を行っています。また、大阪市や名古屋市には支店や営業所もあり、体制を整えています。

会社の歴史

日本金属の歴史は1930年に遡ります。当初は「東京伸鉄所」として設立された後、1939年に「日本特殊鋼材工業株式会社」に改組されました。1945年に「日本金属産業株式会社」に改名し、1949年には東京と大阪の証券取引所に上場を果たしました。その後の1954年に「日本金属株式会社」として商号を再度変更し、以降も事業の拡大を続けてきました。冷間圧延ステンレス鋼帯の圧延を開始したのもこの時期で、1990年代には福島工場を新設するなどさらなる発展を遂げました。

2023年10月には、東京証券取引所のスタンダード市場に移行することが決まり、今後も企業の発展が期待されています。

関連企業

日本金属株式会社は多数の関連会社を持ち、国内外での事業展開を加速しています。子会社には、避難器具や防災用品を手掛ける「株式会社セフ」、電磁鋼帯を製造する「日金電磁工業株式会社」、製品を取り扱う商社「日金スチール株式会社」があります。国際展開も進めており、シンガポール、タイ、マレーシアにはそれぞれ子会社を設立しています。

業界での位置付け

日本金属株式会社は、世界鉄鋼協会、日本鉄鋼連盟、ステンレス協会など、多くの業界団体に加盟しており、国内外の市場で存在感を示しています。鋼鉄製品を供給する他社と比べても、特殊鋼に特化した製品づくりは多くの顧客から評価されています。特に、精密な冷間圧延技術は、多種多様な産業において求められるニーズに応えており、この分野での信頼を堅持し続けています。

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