日龍峰寺

日龍峰寺（にちりゅうぶじ）

日龍峰寺は、岐阜県関市下之保の高澤山中腹に位置する高野山真言宗の寺院です。標高434メートルの山中にあり、大日山を山号とし、高澤観音としても親しまれています。

歴史

寺伝によると、創建は5世紀前半の仁徳天皇の時代に遡ります。日本書紀にも登場する豪族、両面宿儺がこの地で龍神を退治し、その跡地に祠を建てたのが始まりと伝えられています。飛騨地方の千光寺や善久寺にも両面宿儺の伝説が残っており、この地域における両面宿儺の影響力の大きさを物語っています。日龍峰寺では、両面宿儺像の御開帳が毎年11月の第3日曜日に執り行われます。

鎌倉時代には、北条政子によって再興されたと伝えられています。しかし、室町時代の応仁の乱で多宝塔を残し、堂宇の多くが焼失しました。その後、江戸時代に入り、現在の伽藍が整備されました。

本堂は京都の清水寺本堂に似た舞台造り（懸崖造）であることから、「美濃清水」という異名を持ち、多くの参拝者から親しまれています。本尊は千手観音菩薩で、美濃三十三観音霊場の第一番札所、中濃八十八ヶ所霊場の六十一番札所としても知られています。

伽藍

境内には、歴史と風格を感じさせる様々な建造物が点在しています。

仁王門: 享保3年（1718年）に建てられた門で、参拝者を迎えます。
本堂: 江戸時代前期の寛文10年（1670年）に建立された本堂は、岐阜県指定重要文化財です。懸崖造りの美しい姿は、見る者を魅了します。
多宝塔: 鎌倉時代後期に北条政子によって建立されたと伝わる多宝塔は、国の重要文化財に指定されています。
宝篋印塔: 源頼朝の分骨が納められていると伝えられる宝篋印塔。
鐘楼: 時を告げる鐘が設置されています。
千本檜: 境内には、樹齢を重ねた檜が立ち並び、神聖な雰囲気を醸し出しています。
薬師堂: 薬師如来を祀るお堂。
金毘羅堂: 金毘羅大権現を祀るお堂。
庫裡: 寺院の台所となる建物。
みたらしの霊水: 霊験あらたかな水が湧き出ています。

文化財

重要文化財（国指定）

多宝塔: 鎌倉時代後期（1275年-1332年）に建立された三間多宝塔。檜皮葺の美しい姿が特徴です。明治34年（1901年）に重要文化財に指定されました。

岐阜県指定文化財

本堂: 江戸時代前期（1670年）に建立された本堂は、歴史的価値の高い建造物です。

行事

日龍峰寺では、年間を通して様々な行事が行われています。

1月17日: 初観音
2月第一日曜: 星まつり
4月上旬: 桜まつり
8月17日: 千日供養
10月17日: 紅葉まつり

所在地

岐阜県関市下之保4585

アクセス

関市街地から岐阜県道58号関金山線で車で約20分。
* 東海環状自動車道富加関インターチェンジから車で約10分。

脚注

日龍峰寺のHP
関市ホームページ（日龍峰寺）
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