早稲田大学會津八一記念博物館

會津八一記念博物館の概要

早稲田大学會津八一記念博物館は、東京都新宿区に位置する大学博物館で、早稲田大学早稲田キャンパスの中に存在します。1998年に設立され、美術史家の會津八一を称えた施設です。館内には、東洋美術、近代美術、考古学の作品や資料が2万点以上収蔵されており、教育や研究の場として広く利用されています。

館の収蔵品と活動

博物館の資料は、會津八一が自身の生涯を通じて収集した東洋美術のコレクションをはじめ、戦前に行われた考古学の発掘資料や近現代の芸術作品を含みます。また、土佐林コレクションのアイヌ民族資料や大学校友たちからの寄贈品も展示しています。これらのコレクションは、大学だけでなく一般の来館者にも開放されており、地域の教育活動をサポートしています。

會津八一と博物館の設立

會津八一は、早稲田大学の文学部教授として多大な影響を与え、美術史研究においても重要な役割を果たしました。彼は大学在学中から美術研究に興味を持ち、教員としての経歴を重ねながら美術品の収集を開始しました。1910年には早稲田中学校の英語教員に転職し、その後も美術史の研究を続けます。1926年には早稲田大学文学部の講師に就任し、この時期に実物を尊重する教育方針を提唱し、博物館の設立の必要性を訴えました。しかし、その夢が実現するのは72年後のことです。

館舎の歴史と特長

會津八一記念博物館が所在する早稲田大学2号館は、1925年に完成し、1991年まで大学図書館として使用されていました。ここは會津八一が提唱した実物尊重の学風を象徴する場であり、博物館に生まれ変わることが彼の願いを叶えることにつながりました。現在、建物は鉄筋コンクリート造の2階建てで、1999年には東京都選定歴史的建造物に指定されています。この建物は、建築家・今井兼次の初の作品でもあり、当時のデザインと技術が見て取れます。

利用情報

博物館の開館時間は毎日10:00から17:00までで、特定の企画展示が行われる金曜日は18:00まで延長されます。入館は無料で、休日は日曜日や祝日などが指定されています。また、交通アクセスも良好で、多くの公共交通機関から徒歩圏内です。

外部との連携

新潟市にある會津八一記念館とはイベントや行事を通じて連携しており、地域とのつながりを深めています。早稲田大学内でも、他の美術館や資料センターとのコラボレーションを行い、広範な文化活動に寄与しています。

會津八一記念博物館は、早稲田大学の教育及び研究活動の一翼を担い、広く地域社会へ向けて文化の発信を続けています。そのコレクションと活動は、訪れる人々に深い感動を与えることでしょう。

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