明治ブルガリアヨーグルト

明治ブルガリアヨーグルト：日本のヨーグルト市場をリードするロングセラー

明治ブルガリアヨーグルトは、株式会社明治が発売するヨーグルトブランドとして、日本国内のヨーグルト市場において3割ものシェアを占める、国民的な人気を誇る商品です。その人気は、単なるブランド力だけでなく、本物のブルガリアヨーグルトであるという点に裏付けられています。ブルガリア政府から製法と商標が正式に認められており、正真正銘の「ブルガリアヨーグルト」として、その品質と伝統が守られています。

万博から始まる物語：日本のヨーグルトに革命を起こした挑戦

明治ブルガリアヨーグルトの歴史は、1970年の大阪万博にまで遡ります。当時の明治乳業（現・株式会社明治）の社員が、ブルガリア館で出展されていた本場のブルガリアヨーグルトを試食。その濃厚で独特な味わいに感銘を受け、日本でも同様のヨーグルトを製造しようと決意します。

ブルガリアからヨーグルトのサンプルを持ち帰り、日本の技術を駆使して試行錯誤を重ねました。ブルガリア現地への何度も及ぶ調査と研究を経て、ついに独自の製法を確立。1971年、日本初のゼリー加工をしていないプレーンヨーグルト「明治プレーンヨーグルト」として発売されました。しかし、当初は商品名に「ブルガリア」を使用することをブルガリア大使館に拒否され、苦労の末、1973年に現在の「明治ブルガリアヨーグルト」へと改名。この名称の使用許可を得るまでには、ブルガリア政府との間で長期間にわたる交渉が必要でした。駐日ブルガリア大使は、この商品名について「単なるイメージやブランド名としての『ブルガリア』ではない」と発言しており、その本物のブルガリアヨーグルトとしての地位を明確に示しています。

独自の技術と伝統：ブルガリアヨーグルトのこだわり

明治ブルガリアヨーグルトは、ブルガリアヨーグルト特有の乳酸菌を使用しています。この乳酸菌は、ブルガリア以外の地域で培養すると性質が変わってしまうため、定期的にブルガリアから輸入されています。乳酸菌株をブルガリア国外に輸出するには政府の許可が必要で、この許可を得るためにも、ブルガリア政府との緊密な連携が不可欠でした。

長年にわたる研究開発によって、独自の技術も確立しています。1981年には、容器を牛乳パックから現在のオリジナル容器に変更。青色のブランドカラーは、当時から現在まで受け継がれています。1984年にはLB51乳酸菌、1993年にはLB81乳酸菌を追加。LBとは乳酸菌を意味するLactic Acid Bacteriaの頭文字で、数字は使用菌株のブルガリア菌2038株とサーモフィラス菌1131株の末尾番号を組み合わせたものです。2000年には「ヨーグルトの正統」を明記し、ブランドイメージをさらに強化しました。2014年には特許を取得した「まろやか丹念発酵技術」を導入し、砂糖の添付を廃止するなど、常に改良を重ねています。

多様なラインナップ：幅広いニーズに対応する商品展開

現在では、プレーンヨーグルト、ハードヨーグルト、ソフトヨーグルト、ドリンクヨーグルトなど、様々な種類のヨーグルトがラインナップされています。プレーンヨーグルトだけでも、脂肪0、生乳100％使用など、多様なバリエーションがあります。また、フルーツ入りヨーグルトや低糖タイプなど、健康志向や嗜好に対応した商品展開も特徴です。さらに、特定保健用食品（トクホ）の認可を受けた商品も複数存在し、健康を意識した消費者のニーズにも応えています。

2023年には、発売50周年を迎えました。半世紀にわたって愛され続けるロングセラー商品として、その歴史と伝統は、日本のヨーグルト文化に大きな影響を与え続けています。

在日ブルガリア人の声

在日ブルガリア人からは、明治ブルガリアヨーグルトは本場のヨーグルトに比べて酸味が抑えめで甘いという意見も聞かれます。これは、日本の消費者の好みに合わせた改良の結果と言えるでしょう。

継続的な進化：時代とともに変化する明治ブルガリアヨーグルト

明治ブルガリアヨーグルトは、常に時代の変化に対応し、消費者のニーズを捉えながら進化を続けています。今後も、その伝統を守りながら、新たな技術開発や商品開発に積極的に取り組んでいくことでしょう。その取り組みが、日本のヨーグルト文化をさらに豊かに彩っていくことは間違いありません。

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