暗黒星団帝国

暗黒星団帝国：宇宙戦艦ヤマトシリーズを彩る謎多き侵略者

『宇宙戦艦ヤマト 新たなる旅立ち』と『ヤマトよ永遠に』に登場する暗黒星団帝国は、地球を制圧した唯一の星間国家として知られています。その圧倒的な軍事力と高度な科学技術は、ヤマトクルーの前に大きな壁として立ちはだかりました。本稿では、暗黒星団帝国の詳細、その母星デザリアム星、主要人物、そしてヤマトとの激戦について解説します。さらに、リメイク作品である『宇宙戦艦ヤマト2205 新たなる旅立ち』と『ヤマトよ永遠に REBEL3199』における設定や変更点についても触れていきます。

暗黒星団帝国の概要

暗黒星団帝国は、作品によって名称や描写に差異が見られます。『新たなる旅立ち』では「暗黒星団帝国」と呼ばれますが、『永遠に』では本編で「黒色軍団」と呼称され、予告編でのみ「暗黒星団帝国」の名称が使われています。両作品の敵が同一かどうかは当初議論の的となりましたが、後年の公式設定では同一とされています。

その技術力は圧倒的です。惑星をまるごと要塞化する技術、一瞬で脳細胞を破壊する重核子爆弾、高度なサイボーグ化技術、そして驚異的な再生医療技術など、軍事面と医学の両面で地球人を凌駕する力を持っていました。銀河系規模の広大な宙域に展開し、多数の星間国家の存在や文明レベルを把握している様子も伺えます。

特にヤマトの波動砲を危険視し、その攻撃を防ぐための対ビーム兵器コーティング技術や、新波動砲にも効果がない超合金などを開発・実用化していました。しかし、一度破られると波動エネルギーに対して脆弱な面も見られました。準備稿段階では「暗黒星雲ウラリア」や「暗黒星団帝国ウラリア」という名称が用いられ、人名もロシア風のものだったという興味深い情報もあります。

デザリアム星：暗黒星団帝国の本拠地

地球から40万光年離れた二重銀河にある白色銀河に位置するデザリアム星は、暗黒星団帝国の本星です。200年後の地球に偽装し、古代遺跡や古典芸術まで忠実に再現していました。しかし、ヤマトとの戦闘で偽装が剥がれ、その真の姿は中心核を骨組が取り巻くグロテスクな人工天体でした。

新波動砲をもっても決定的なダメージを与えられない超金属で構成され、中心核からエネルギーが供給されています。中心核内部には水晶都市が存在し、極地には出入口があります。多数の大型砲や要塞化された浮遊隕石などの防衛兵器を備え、接近すら困難な要塞惑星です。水晶都市はミサイルとして使用され、侵入者への迎撃手段となります。

暗黒星団帝国人：サイボーグ化された生命体

暗黒星団帝国人は、頭部のみが生体で、首から下はサイボーグ化されています。高度な機械文明の結果ですが、その弊害として肉体的に退化し、生命力も衰えていると推測されます。機械の身体は外観や動きは精巧ですが、生身の地球人と同じように銃撃で倒せるほど脆弱です。

肌の色は作品によって異なり、『新たなる旅立ち』では灰色、『永遠に』では暗青灰色です。強膜は青色（スカルダートのみ赤色）、眉毛はなく、頭髪も少ない傾向があります。明確な女性キャラクターはサーダしか登場せず、彼女の容姿は地球人と同様ですが、その出自は不明です。

暗黒星団帝国軍：冷酷かつ精鋭な軍隊組織

暗黒星団帝国軍は、階級制度を採用しており、制服は『新たなる旅立ち』では白色、『永遠に』では黒色です。両作品とも黒マントを着用しています。兵器や艦船は超硬合金の外殻を持ち、通常兵器では対抗できません。重核子爆弾にはガミラスやガトランティスが保有していないバリアも搭載されています。

地球侵攻では、綿密な作戦行動で一夜にして地球を制圧しました。任務遂行のためには犠牲を厭わず、冷酷な一面も見せます。艦艇や兵器は濃紺とオレンジが基調で、光線兵器の色も作品によって異なります。地球側からは「黒色艦隊」と呼ばれていました。

劇中での描写：ヤマトとの激闘

『新たなる旅立ち』では、ガミラス残存艦隊との戦闘で大きな損害を被り、ヤマトとデスラーに敗北します。イスカンダルを襲撃しますが、ヤマトの介入で再び敗北、自動惑星ゴルバによる報復攻撃も失敗に終わります。この作品では、グレートエンペラーがメルダーズに地球侵略を示唆するシーンがあります。

『永遠に』では、重核子爆弾による奇襲攻撃で地球を制圧します。ヤマトとの戦闘では、ゴルバ型浮遊要塞群を投入しますが、ヤマトの新波動砲によって壊滅させられます。デザリアム星での最終決戦では、スカルダートがヤマトに降伏を強要しますが、ヤマトと地球パルチザンの活躍でデザリアム星は崩壊します。

主要人物

作品によって異なる主要人物が登場します。『新たなる旅立ち』ではグレートエンペラー、メルダーズ、デーダーなどが、『永遠に』ではスカルダート、サーダ、カザン、グロータスなどが活躍しました。

ゲーム版とリメイクアニメ

PS2版ゲームでは、原作を補完したオリジナル要素が多数追加されています。デザリアム星の設定もアニメ版と異なり、未来の地球がタイムスリップしてきたという設定になっています。リメイクアニメ『2205』と『REBEL3199』では、デザリアムを勢力名とし、旧作の設定を踏襲しつつ、新たな設定も追加されています。

まとめ

暗黒星団帝国は、その圧倒的な軍事力と高度な科学技術、そして謎めいた存在感で「宇宙戦艦ヤマト」シリーズに大きなインパクトを与えました。本稿で紹介した情報が、この謎多き帝国への理解を深める一助となれば幸いです。

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