自動惑星ゴルバ

自動惑星ゴルバ：宇宙戦艦ヤマトシリーズの脅威

アニメ『宇宙戦艦ヤマト 新たなる旅立ち』に登場する自動惑星ゴルバは、暗黒星団帝国の象徴的な存在です。独特のこけしのような形状、圧倒的な防御力、そして強力な武装は、ヤマトクルーに絶望をもたらすほどの脅威でした。本稿では、ゴルバのデザインから劇中での活躍、ゲーム版やリメイク作品での描写まで、多角的に解説します。

デザインと武装

ゴルバのデザインは、中村光毅氏と板橋克己氏の共同作業によって生み出されました。球体と円筒を組み合わせた形状は、司令部区画が戦闘時にせり上がるなど、巧妙なギミックを備えています。濃緑色の本体には、頭部の上部ミサイル砲、上部光線砲、頸部の回転式主砲8門など、多様な武装が搭載されています。光線色は緑がかった黄色で、その破壊力は凄まじく、デスラー砲すら無効化するほどの防御力を誇ります。この防御機構は、資料によっては「4次元フィールド」や「特殊コーティング」と説明されており、装甲による防御とは異なる特殊な技術が用いられていることが示唆されています。ゲーム版では、強力な偏光バリアによってエネルギー弾を拡散防御する描写も見られます。ゴルバの唯一の弱点は、開いている主砲口であり、そこに集中攻撃を加えることで撃破が可能でした。

初期設定では、地球の直径の1/6という巨大な円形要塞でしたが、「ヤマトとのスケール差が大きすぎる」という理由で、数百メートル規模に縮小されました。それでも「自動惑星」の名は残っています。デザイン過程では、板橋氏のラフスケッチから、中村氏のラフスケッチを経て、最終的な決定稿が完成しました。

劇中での活躍とPSゲーム版

『新たなる旅立ち』では、赤色巨星近傍での最終決戦で登場。ガミラス艦隊を圧倒し、デスラー砲の直撃さえも受け付けない姿は、視聴者に衝撃を与えました。デスラー戦闘空母の突撃と波動砲発射寸前、スターシャの介入によって戦闘は中断。イスカンダル自爆に巻き込まれ、ゴルバも消滅しました。カットされたシーンでは、別の星を破壊することでイスカンダルを救出する場面もあったとされています。

PS2版ゲーム『宇宙戦艦ヤマト イスカンダルへの追憶』『宇宙戦艦ヤマト 暗黒星団帝国の逆襲』では、デザインが変更され、こけし型からキノコ型へと変化しています。頸部にはα砲と呼ばれる波動砲に匹敵する威力を持つ主砲が装備され、強力なエネルギー偏向バリアも備えています。しかし、実体弾には弱く、波動エネルギーを内包した波動カートリッジ弾が弱点として設定されています。無人大型戦闘艇テンタクルスも搭載しており、ゲーム内では重要な敵キャラクターとして登場します。

リメイクアニメ版

『宇宙戦艦ヤマト2205 新たなる旅立ち』では、明貴美加氏によりデザインが担当され、全長が10キロメートルにまで拡張されました。旧作とほぼ同様のデザインを踏襲しつつ、下部に展開式機能が追加され、推進ノズルは「超大型重力場収束式ベータ砲」という設定になっています。重力操作機能も追加され、天体クラスの物体を慣性制御したり、重力傾斜を発生させる能力を持ちます。防御には「位相変換装甲」が用いられ、波動砲の直撃すら無力化するほどの防御力です。ステルス機能も持ち合わせています。次元潜航兵器への対策として、「キャプチャーフィールド」で敵を捕獲し、殲滅多脚戦車によって破壊する機能も備えています。

劇中では、イスカンダル星の移送という重要な役割を担い、地球・ガミラス連合艦隊と激戦を繰り広げます。波動掘削弾による内側から爆発という意外な形で撃破されました。

ゴルバ型浮遊要塞

ゴルバ型浮遊要塞は、自動惑星ゴルバとほぼ同一形状ですが、約1.5倍の大型仕様で、主砲が空間重魚雷発射砲となっています。劇中では、ヤマトを包囲しますが、波動カートリッジ弾によって全滅します。

まとめ

自動惑星ゴルバは、その圧倒的な防御力と強力な武装、そして重力操作能力によって、シリーズを通してヤマトクルーにとって最大の脅威の一つであり続けました。デザインや設定は作品によって変化していますが、その存在感は常に強烈であり、宇宙戦艦ヤマトシリーズにおける重要な要素となっています。様々な資料やゲーム、リメイク作品を通して、ゴルバの魅力を改めて確認することができます。

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